セッション情報 | ワークショップ「胆膵疾患診療のup to date」 |
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タイトル | WS-03:MRCP画像による胆嚢収縮機能の評価 |
演者 | 鹿志村 純也(水戸済生会総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 中村 琢也(水戸済生会総合病院 消化器内科), 三上 哲彦(水戸済生会総合病院 消化器内科), 櫻井 健洋(水戸済生会総合病院 消化器内科), 大川原 健(水戸済生会総合病院 消化器内科), 渡辺 孝治(水戸済生会総合病院 消化器内科), 柏村 浩(水戸済生会総合病院 消化器内科), 浅野 康治郎(水戸済生会総合病院 消化器内科), 仁平 武(水戸済生会総合病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】胆嚢収縮機能を正確に評価する方法は未だ確立されていない。近年、胆管結石に対して内視鏡的治療が盛んに行われているが結石の無い胆嚢は温存可能との報告もある。しかし、機能が廃絶した胆嚢は胆嚢炎や結石再発のリスクが大きいと考えられ、その機能を評価することは臨床的意義がある。我々はMRCP画像を用いて胆嚢容積を計測して胆嚢の機能的評価を試みたので報告する。【方法】1)正常な収縮パターンを明らかにするため、膵-胆道系疾患の無い8人の健康成人に対し12時間以上の絶食後に検査を行なった。MRIはEXCELART Vantage(1.5T、東芝)、Work-stationはVirtual Place AdvancePLUS (AZE)、ボースデル内容液(協和発酵キリン)、カロリーメイト缶(大塚製薬)を用いた。3DFFE SSFP法にて撮影し胆嚢容積(対象領域のボクセル数×ピクセルサイズ×スライス間隔)を算出した。胆嚢収縮刺激物質としてカロリーメイト200mlにボースデルを混じて服用後に胆嚢容積を経時的(5分毎に50分間)に測定して収縮能を評価した。2)胆管結石治療後の症例で胆嚢結石を有さない11例についての収縮能を検討した。【結果】1)空腹時の胆嚢容積は18.20~46.82mlで平均28.82mlであった。カロリーメイト内服刺激にて胆嚢は徐々に収縮し10分79%、20分54%、25分48%、30分に空腹時の47.3%となった。その後は40分51%、50分58%とゆっくりと再拡張した。2)胆管結石治療後の11例中10例は良好な収縮機能であり温存しが、1例で1年後に結石再発を認めた。刺激に反応せず機能廃絶と判断した1例は胆摘を行った。【結論】従来の胆嚢収縮能の評価はエコーもしくはMRIにて胆嚢の最大径とその横径を求め、一定の形であると仮定するsum-of-cylinders法で容積を算出していた。しかし、胆嚢の形態は様々であり収縮する過程で著しく変形するものは正確な容積を測定できなかった。今回の方法は実際に撮影された胆嚢像の総和として算出するのでより正確な容積の測定が可能であった。MRCP画像を用いることで容易で安全かつ正確に胆嚢容積と収縮能の評価が可能であり臨床診療に有用と考えられた。 |
索引用語 | 胆嚢機能, MRCP |