セッション情報 特別企画 後期研修医(卒後3-6年)

タイトル W-20:

当院における震災前後の消化器癌患者の動向

演者 猪狩 綾希(公立相馬総合病院 内科)
共同演者 高橋 裕太(公立相馬総合病院 内科), 熊川 宏美(公立相馬総合病院 内科)
抄録 [はじめに]東日本大震災前後で福島県の相双地区の人口や医療圏は大きく変化した。また震災後、2年が経過するが震災後は例年よりも早期癌が少ない印象であった。そのため震災前後で消化器癌患者の動向について検討した。[対象、方法]平成21年4月1日から平成24年6月30日までの期間に当科の外来、入院で診療された食道癌、胃癌、大腸癌、胆管癌、膵臓癌の患者を対象とした。また、カルテ、内視鏡画像を基に、診療時期(震災前後)、居住地、避難の有無、早期/進行癌、治療について調べ、それらを基に以下について検討した。(1)消化器癌患者数、(2)患者居住地割合の変化、(3)各消化器癌の患者数、(4)震災前後での早期/進行癌患者数、(5)避難の有無による早期/進行癌患者の割合。[結果]結果は以下の通りであった。(1)消化器癌患者数は震災後の平成23年度は例年よりも増加した。(2)患者居住地は南相馬の患者は有意に増加し、双葉郡の患者は有意に減少した。(3) H23年度は胃癌、食道癌の患者数が例年よりも増加した。(4)震災前後で早期/進行癌患者数に有意差は認められなかった。(5)震災直後の半年間は避難ありの方は避難なしの方に比べて早期癌が有意に少なく認められた。[考察]震災後、新地や相馬の人口は減少傾向だが、双葉郡や南相馬から避難して相馬に居住している方も多く、また南相馬の病院機能の低下により紹介患者が増加した分、当院の医療圏人口は増加し、消化器癌患者数は増加傾向であった。震災前後で早期癌/進行癌患者の割合に変化はなかった。しかし、震災直後の半年間は、避難ありの方は避難なしの方と比べ、早期癌が有意に少なく認められ、避難により受診機会が失われたことが推測された。
索引用語 震災, 消化器癌