セッション情報 一般演題

タイトル O-32:

十二指腸GISTの3例

演者 塩塚 かおり(独立行政法人国立病院機構仙台医療センターDELIMITER独立行政法人国立病院機構盛岡病院)
共同演者 高橋 広喜(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 野口 謙治(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 菊池 弘樹(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 吉田 はるか(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 高野 幸司(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 菅原 かおり(独立行政法人国立病院機構仙台医療センターDELIMITER独立行政法人国立病院機構盛岡病院), 山尾 陽子(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 杉村 美華子(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 阿子島 裕倫(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 木村 憲治(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 田邊 暢一(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 岩渕 正広(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 真野 浩(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 鵜飼 克明(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター), 田所 慶一(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター)
抄録 十二指腸GISTは比較的まれであり、その診断や治療方針の決定にしばしば難渋することも少なくない。今回我々は十二指腸GISTの3例を経験したので報告する。【症例1】51歳女性。下痢、腹痛を主訴に来院。上下部内視鏡検査を施行したが異常を指摘しなかった。内服薬にて経過を見ていたが症状が改善しないため造影CTを施行したところ、膵頭部に早期濃染される4cm大の腫瘍を認めた。多血性腫瘍のため生検は施行できなかったが、EUSおよび血管造影検査にて十二指腸GISTを疑い、膵頭十二指腸切除術を施行した。術後6か月経過したが再発なく経過している。【症例2】75歳男性。心窩部痛を主訴に他院を受診し上部内視鏡検査を施行したところ、胃に2.5cm大のSMT様の隆起性病変を指摘、さらに十二指腸水平部に頂部に潰瘍形成を伴う4cm大の隆起性病変を認めた。EUS‐FNAを施行しGISTと診断、術前イマチニブ療法が選択された。治療後十二指腸GISTはPRとなり内服5か月後に胃および十二指腸GISTに対し部分切除が施行された。術後イマチニブを再開し6か月経過した現在、再発は認めていない。【症例3】46歳男性。腹痛、発熱のため当院救急外来を受診。造影CTにて膵頭部に6cm大の周囲脂肪織濃度上昇と中心壊死を伴う巨大腫瘤を認め、膿瘍が疑われ緊急入院となった。抗生剤投与にて臨床症状および血液所見は改善したが、上部内視鏡検査にて十二指腸下行部に潰瘍形成を伴う隆起性病変を認め、生検にてGISTと診断し、膵頭十二指腸切除術が施行された。術後11か月目に肝に再発と思われる結節を認め、現在イマチニブを内服中である。【考察】十二指腸GISTはその特徴として1)病理組織学的に悪性度が高いこと、2)遺伝子学的にexon9変異を伴うものが多くイマチニブに耐性をもつものが多いこと、3)診断が困難であり、発見時すでに腫瘍径も大きく進行例が多いことなどが挙げられる。当院で経験した3例においてはMIB-1indexがいずれも低値であるものの、1例においては術後肝転移を認めており、他症例も含め慎重な観察が必要と思われた。
索引用語 十二指腸GIST, 粘膜下腫瘍