セッション情報 一般演題

タイトル O-50:

高度血小板減少を伴った慢性C型肝炎に対し、摘脾後インターフェロン治療を実施した3症例の検討

演者 佐々木 公美子(宮城社会保険病院 消化器科)
共同演者 木皿 典宏(宮城社会保険病院 消化器科), 石井 元康(宮城社会保険病院 消化器科)
抄録 【背景・目的】肝予備能は良好であるにも関わらず、高度血小板減少のため、慢性C型肝炎に対するインターフェロン治療が困難とされる症例が少なからず存在する。当院において、これらの症例のうち、摘脾を行い血小板の回復を待ってインターフェロン治療を導入し得た3症例について、報告、検討を行う。【症例】《症例1》53歳男性。HCVセロタイプ1型HCV RNA 5.5logIU/ml, AST157, ALT 199,術前血小板4.4万/μl、摘脾後血小板6.6万/μl、INFα,リバビリン併用療法、1年半実施。SVR。《症例2》45歳女性。HCVセロタイプ1型、HCVserotype1型HCV RNA 6.0logIU/ml, AST 28,ALT 24, 術前血小板6.0万/μl、食道静脈瘤F2認め、Hassab手術実施。摘脾後血小板21万/μl、PEGIFN,リバビリン併用療法48週間実施。NR。術後8ヶ月目、食道静脈瘤F1へ改善認めた。《症例3》69歳女性、HCVセロタイプ1型HCV RNA 5.8logIU/ml, AST 102, ALT106, 術前血小板4.6万/μl、腹腔鏡下脾臓摘出術実施。摘脾後血小板10万/μl、PEGIFN,リバビリン併用療法実施。食欲不振のため24週で終了。投与開始4週目よりHCVRNA陰性化持続し、経過観察中。【まとめ】全3症例ともH.pylori陰性で、脾腫を認め、肝線維化は進行していた。摘出脾の病理所見はうっ血が主で、脾腫の原因は門脈圧亢進と考えられた。【結論】各症例の肝疾患の予後、手術の侵襲等個別に評価し、慎重に症例を選択する必要はあるものの、肝予備能良好の症例においては、摘脾後のインターフェロン導入は、治療の選択肢の一つとなりうると考えられた。
索引用語 摘脾, インターフェロン