セッション情報 一般演題

タイトル O-51:

C型慢性肝炎に対するテラプレビル3剤併用療法:当院における19例のまとめ

演者 清水 秀幸(岩手県立中部病院 消化器内科)
共同演者 三浦 達也(岩手県立中部病院 消化器内科), 三上 恵美子(岩手県立中部病院 消化器内科), 千葉 宏文(岩手県立中部病院 消化器内科), 芳野 竜太郎(岩手県立中部病院 消化器内科), 渡邊 崇(岩手県立中部病院 消化器内科), 伊藤 洋信(岩手県立中部病院 消化器内科), 高橋 秀一郎(岩手県立中部病院 消化器内科), 佐野 俊和(岩手県立中部病院 消化器内科)
抄録 【目的】 C型慢性肝炎に対してPEG-IFN(ペグインターフェロン)+RBV(リバビリン)併用療法が行われてきたが、日本人に最も多い「ジェノタイプI型・高ウイルス量」の患者ではHCV RNA持続陰性化(SVR)率は約50%と低く、新たな治療法の開発が熱望されていた。HCV複製の必須酵素であるNS3-4A-セリンプロテアーゼ阻害剤テラプレビル(TVR)が2011年に承認されたことを受け、我々はTVR 3剤併用療法の効能を検討した。【方法】 対象は23-66才の慢性C型肝炎の患者、IFN治療後再燃例4例を含む19名(男女比12:7、IL28B SNPsヘテロ1例、Core aa70 変異型2例・拮抗型1例)。C型慢性肝炎治療のガイドライン2012に則り用量を決めテラプレビル3剤併用療法を施行した。【成績】 治療開始後4週以上を経過した18例中16例で4週後のHCV RNA陰性化(RVR)を認めた。残る2例(非RVR)も6週と8週後に陰性化を認めた。非RVRの2例は貧血等によりTVRとRBVにつき40~60%台の減量を余儀なくされた症例であった。有害事象としては、17例(89%)にGrade 1-2の皮疹を、18例(95%)に尿酸値の上昇を認めた。その大部分の症例は対症療法にて対応可能であったが、皮疹及び貧血でのTVR中止例各1例、網膜症増悪でのPEG-IFN中止の1例を認めた。【結論】テラプレビル3剤併用療法では全例で治療開始早期のHCV RNA陰性化が確認され、高率のSVRが期待される。しかし、非RVRの2例や、HCV RNA消失後の一部薬剤の中止例も認め、Breakthroughや再燃の有無についての経過観察を行い、薬剤Adherenceとの関係等につき検討の上、報告の予定である
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル