セッション情報 一般演題

タイトル O-52:

C型肝炎のインターフェロン治療著効後に発見された肝細胞癌の特徴

演者 高山 歳三(東北公済病院 消化器内科)
共同演者 千葉 真美(東北公済病院 消化器内科), 千葉 雅樹(東北公済病院 消化器内科), 伊藤 薫(東北公済病院 消化器内科), 小針 瑞男(東北公済病院 消化器内科), 宮崎 豊(東北公済病院 消化器内科)
抄録 【目的】C型肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療著効(SVR)後に発見された肝細胞癌(肝癌)の特徴について検討した。【対象】1992年より当院でC型肝炎に対してIFN治療を行い効果判定可能であった465例(男性260、女性205)のうち、SVRとなったのは255例(男性142、女性113)であった。SVR後フォローできた患者のうち、肝癌を発症した14例を対象とした。【結果】14例の内訳は男性12/女性2、Serogroup1/2:4/10、線維化F2/3/4:1/9/2(未検査2例)であった。IFN開始時の血小板の平均値12.0万/μl(6.5万-16.7万/μl)で、12万/μl未満は9例、AFPの平均値31.6ng/ml(4.1-162ng/ml)であった。IFN単独/リバビリン併用:8/6。SVR時の年齢は46-75才(平均値60.0才)、IFN治療終了後肝発癌までの期間は11-214ケ月(平均値70.2ケ月)で、治療終了後10年以上経過し発癌したのは3例であった。肝癌発見時の腫瘍径は12-140mm(平均値31.9mm)、併存疾患として糖尿病6例、SVR後に日本酒換算で2合/日以上の飲酒者は2例であった。13例は手術適応となったが、常習飲酒者1例は手術適応とならなかった。【結語】当院におけるSVR後の肝発癌の検討ではF3‐F4、血小板数が少ないなど、線維化の進行した症例での発癌が多かった。Serogroup2での発癌例が多かった理由は、線維化の進行した症例でもIFN治療によりSVRが得られた例が多かったためと考えられた。IFN著効後も肝発癌の可能性は十分にあり、IFN治療終了後10年以上経ってからの発癌例もあることから生涯にわたり定期的なフォローが必要である。また、血小板低値例、糖尿病合併例は発癌の高リスクと考えられるため、より厳密なフォローが必要と考える。
索引用語 C型肝炎, 肝癌