セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
O-46:内視鏡的ドレナージ術にて保存的に治癒し得た、胃全摘・Roux-en-Y再建後、急性膵炎を合併した輸入脚症候群の1例
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演者 |
山居 聖典(大館市立総合病院 消化器・血液・腫瘍内科DELIMITER弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科学講座) |
共同演者 |
速水 史郎(大館市立総合病院 消化器・血液・腫瘍内科DELIMITER弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科学講座), 相澤 弘(大館市立総合病院 消化器・血液・腫瘍内科), 吉原 綾子(大館市立総合病院 消化器・血液・腫瘍内科), 小笠原 仁(大館市立総合病院 消化器・血液・腫瘍内科), 福田 眞作(弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科学講座) |
抄録 |
【症例】71歳女性【主訴】上腹部痛、嘔気【既往歴】66歳:胃癌で胃全摘術・Roux-en-Y再建術・脾摘・膵尾部切除術、66-67歳:術後イレウス【現病歴】平成24年9月5日午後より上腹部痛出現。徐々に増悪し、嘔気も出現したため、当院救急外来を受診。上腹部に強い圧痛を認めるも、腹膜刺激症状や筋性防御は認めなかった。WBC 13140 /μl、CRP 0.02 mg/dl、T-Bil 1.0 mg/dl、AST 69 IU/l、ALT 28 IU/l、sAmy 2612 IU/l、uAmy 12640 IU/lと著明なアミラーゼ高値を認めた。腹部単純X線写真では、明らかな拡張腸管や鏡面像は認めなかった。腹部CTで、上腹部小腸の著明な拡張像を認めた。肝内胆管、総胆管の拡張、胆嚢の緊満に加え、膵臓周囲に浮腫を認めた。肝腫瘍やリンパ節腫大を含め明らかな胃癌再発所見は認めなかった。急性輸入脚症候群、急性膵炎の診断で、入院となった。【入院後経過】絶飲食、補液、抗菌薬投与。消化管内腔からのドレナージによる減圧目的に、上部消化管内視鏡検査を施行。狭窄を呈した空腸空腸吻合部の局在を同定し、ガイドワイヤーを挿入。WGバルーンダイレーターにて拡張したところ、貯留していた液体がドレナージされた。十二指腸盲端までワイヤーをすすめ、最終的に7.5Fr ENBD tubeを留置。持続ドレナージにより、腸管拡張や肝内胆管・胆嚢腫大が改善。腹痛も軽快したため、第6病日に食事開始し、順調に食上げとなった。第9病日にENBD tube抜去、経過良好で第15病日退院となった。現在再発なく外来通院中である。【結語】胃全摘Roux-en-Y法による再建後の輸入脚症候群の頻度は1%以下と稀であるが、致死率の高い病態であり、早期診断と速やかに適切な処置をとる必要がある。今回我々は、内視鏡的ドレナージによる保存的治療で治癒し得た症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
輸入脚症候群, 急性膵炎 |