セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-36:化学放射線療法中に小腸転移をきたした食道癌の一例 |
演者 | 須田 拓郎(山形県立中央病院 内科) |
共同演者 | 藤嶋 昌一郎(山形県立中央病院 内科), 仁科 武人(山形県立中央病院 内科), 川越 圭(山形県立中央病院 内科), 佐藤 英之(山形県立中央病院 内科), 鈴木 康之(山形県立中央病院 内科), 白幡 名香雄(山形県立中央病院 内科), 鈴木 克典(山形県立中央病院 内科), 武田 弘明(山形県立中央病院 内科), 深瀬 和利(山形県立中央病院 内科), 石井 範洋(山形県立中央病院 外科), 須藤 剛(山形県立中央病院 外科) |
抄録 | 【症例】62歳 男性 【既往歴】46歳:外傷性くも膜下出血 56歳:高血圧、高脂血症で内服治療中 【生活歴】喫煙:30本/日×40年 飲酒:日本酒3~4合/日 【家族歴】父:脳梗塞 叔父:肺癌 叔母:膵臓癌 【現病歴】 2012年5月中旬より嚥下障害が出現したため、6/6に近医を受診した。上部内視鏡にて中部食道に2型腫瘍をみとめ、生検で扁平上皮癌と診断された。精査加療目的に6/14に当科紹介となった。CTで多発リンパ節転移、肝転移、脾転移があり、cT3N3M1:stage IVbと診断され化学放射線療法を行う方針となった。7/26より5-FU700mg/m2+シスプラチン70mg/m2、食道照射40Gy/20fで治療を開始した。8/19より嘔吐が出現したが、抗癌剤による消化器症状と考え制吐剤を使用し経過観察とした。症状が改善しないため、8/22に腹部レントゲン撮影したところ小腸にniveau像がみられたためCTを施行した。回腸に閉塞部位をみとめ、腸閉塞の原因と考えられた。腸管の減圧目的にイレウスチューブを挿入した。チューブからの造影で閉塞部位と思われる回腸に約2cmのapple core signをみとめ、食道癌の小腸転移または原発性小腸癌が疑われた。9/3に腹腔鏡補助下小腸部分切除術施行。病理組織は扁平上皮癌であり、食道癌の小腸転移と考えられた。 【考察】食道癌の小腸転移は稀な疾患であり、調べうる範囲では国内で本症例を含め16例の文献報告(他25例の症例報告)があるのみであった。本症例のように化学療法中の場合は抗癌剤による消化器症状とイレウス症状が混在しているため、安易に対症療法にとどめないように注意しなければならない。今回われわれは食道癌の小腸転移の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 食道癌小腸転移, 転移性小腸腫瘍 |