セッション情報 一般演題

タイトル O-97:

胆道再建術後肝転移症例に対する肝切除術の適応・合併症の検討

演者 大石 弥生(東北大学病院 肝胆膵外科)
共同演者 乙供 茂(東北大学病院 肝胆膵外科), 森川 孝則(東北大学病院 肝胆膵外科), 青木 豪(東北大学病院 肝胆膵外科), 深瀬 耕二(東北大学病院 肝胆膵外科), 坂田 直昭(東北大学病院 肝胆膵外科), 水間 正道(東北大学病院 肝胆膵外科), 大塚 英郎(東北大学病院 肝胆膵外科), 中川 圭(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER統合癌治療外科), 林 洋毅(東北大学病院 肝胆膵外科), 岡田 恭穂(東北大学病院 肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学病院 肝胆膵外科), 元井 冬彦(東北大学病院 肝胆膵外科), 片寄 友(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER統合癌治療外科), 海野 倫明(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER統合癌治療外科)
抄録 胆道再建を伴う手術を要する肝胆膵領域悪性疾患として主に胆道癌・膵頭部癌が挙げられる。これらの症例は、手術施行後に高頻度に異時性肝転移再発をきたす予後不良の疾患であるが、近年の化学療法の進歩で、肝転移再発病変に治療効果を示す症例も認められるようになってきた。それらの症例に対し肝切除を行うかどうかの一定の見解は得られていない。その問題点として、1.胆道再建術後例に肝動注や動脈塞栓などのinterventionを用いた治療法は、肝膿瘍を高率に合併するため原則禁忌とする報告があり、肝転移再発に対し肝切除術を施行した際にも難治性肝膿瘍を発症する場合がある、2.肝転移切除後早期に残肝内に再々発を来す症例もある、などが挙げられる。当科では、2007年4月から2012年2月までに胆道再建術後肝転移再発症例に対し肝切除術を12例施行した。12例中10例が胆道再建術後2年以内に再発を認め再発確認日から1年以内に手術を施行している。そして、肝切除術後12例中4例に難治性肝膿瘍を合併した。これら4例は術式、原疾患に有意差はない。また、12例中5例に術後早期に残肝内に再々発をきたした。この5例中4例は初回手術後1年以内に再発を認め、肝切除を施行し、術後3ヶ月以内に再々発を認めた。しかしながら、長期予後を得た症例もあることから、我々は、無再発期間が長期の症例で画像上肝切除により転移巣根治が望める症例に対しては、肝切除も一選択肢になり得ると考える。そこで、当科で経験した12例を対象とし、画像上肝切除により転移巣根治が望める症例に対する肝切除術の適応の是非や合併症に関して検討する。
索引用語 胆道再建術後再発, 異時性肝転移再発