セッション情報 特別企画 初期研修医(卒後2年迄)

タイトル W-10:

自己免疫性膵炎の経過観察中に出現したIgG4関連硬化性胆嚢炎の1例

演者 鍋島 立秀(独立行政法人 国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科)
共同演者 木村 憲治(独立行政法人 国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 鵜飼 克明(独立行政法人 国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田所 慶一(独立行政法人 国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 松田 真樹子(独立行政法人 国立病院機構 仙台医療センター 臨床検査科), 鈴木 博義(独立行政法人 国立病院機構 仙台医療センター 臨床検査科)
抄録 【症例】64歳、男性【既往歴】平成22年4月心窩部痛を主訴に当科受診、肝胆道系酵素上昇を認め入院精査が行われた。ERCP上下部胆管に高度狭窄、左右肝管に軽度狭窄、主膵管に狭細が認められ、IgG4に1110mg/dlの著明な上昇を認め、自己免疫性膵炎、自己免疫性硬化性胆管炎の診断となった。ステロイド治療の必要性を説明したが同意を得られず、外来で経過観察となっていた。外来検査では肝機能障害は自然軽快し、MRCP上総胆管の狭窄、主膵管の狭細ともに著明に改善していた。【現病歴】平成24年5月腹部超音波で、胆石の出現、胆嚢壁のび漫性肥厚と内腔狭小化に加え、胆嚢壁と連続して胆嚢床に突出する約20mmの低エコー腫瘤の出現が認められ、精査加療目的に入院となった。【入院時検査所見】CEA 1.5ng/ml、CA19-9 31.4U/ml、IgG 2404mg/dlIgG4 1307mg/dl 【画像所見】腹部CTでは胆嚢床に膨隆する類円形の腫瘤を認め、胆嚢壁と同程度の造影効果を呈した。腹部MRIでは腫瘤は胆嚢壁に比較してT1WI等信号、T2WI低信号を呈し、線維化の強い病変が示唆された。MRCPおよびERCPでは2年前と比較し総胆管の狭窄、主膵管の狭細ともに著明に改善していたが、ERC上胆嚢管が胆嚢に合流する部位で途絶していた。以上の結果及び、進行性の経過から胆嚢癌の可能性を否定できず、当院外科で拡大胆嚢摘出術が施行された。【組織病理所見】腫瘤として認められた部位を含め胆嚢壁は線維性に肥厚していた。胆嚢上皮には再生性変化を認めたが悪性細胞は認められなかった。壁内には全層性にリンパ球、好中球を混じる高度の炎症細胞浸潤とIgG4陽性形質細胞を多数認めた。肝組織では門脈域に高度な炎症細胞浸潤を認め小葉間胆管上皮に軽度の核腫大を認めた。以上の結果からIgG4関連硬化性胆嚢炎の最終診断となった。【考察】本症例は自己免疫性膵炎臨床診断基準2011からも自己免疫性膵炎の膵外病変として矛盾ないものと考えられる。無治療2年の経過中に膵、総胆管の所見が改善したにも関わらず新たに胆嚢病変が出現しており、自己免疫性膵炎の自然経過を知る上で貴重な症例と考え報告する。
索引用語 自己免疫性膵炎, IgG4関連硬化性胆嚢炎