セッション情報 |
特別企画 後期研修医(卒後3-6年)
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タイトル |
W-11:Pancreas divisumに合併した副乳頭部癌の1手術例
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演者 |
鳥畑 勇大(大崎市民病院 消化器科) |
共同演者 |
大矢内 幹(大崎市民病院 消化器科), 山本 勝利(大崎市民病院 消化器科), 高橋 靖(大崎市民病院 消化器科), 二瓶 順子(大崎市民病院 消化器科), 伊藤 博敬(大崎市民病院 消化器科), 佐藤 雄一郎(大崎市民病院 消化器科), 五十嵐 勇彦(大崎市民病院 消化器科), 尾花 伸哉(大崎市民病院 消化器科), 今野 文博(大崎市民病院 外科), 坂元 和宏(大崎市民病院 病理) |
抄録 |
【症例】64歳 女性【既往歴】2007年 急性膵炎(近医入院加療。その際ERCP施行後に重症急性膵炎となったため、今後ERCPは二度と受けないよう指導された)。以後年に数回、軽度の膵炎を発症。【生活歴】飲酒歴なし【現病歴】2011年11月腹痛にて当科受診。精査目的の上部消化管内視鏡にて副乳頭部に5mm程の発赤調隆起性病変を認め、生検にて高分化型腺癌の診断となった。MRIでは副乳頭部に一致して壁肥厚像を認め、それに連続するように背側膵管が確認された。Wirsung管は描出されず、Pancreas divisumが疑われた。明らかな転移性病変は認めなかった。超音波内視鏡では副乳頭部に5mm程の低エコー腫瘤を認めたが、深達度診断には至らなかった。腫瘤に連続して膵管を認め、MRI所見と併せてPancreas divisumに合併した副乳頭部癌と診断した。ERCPによる追加精査を考慮したが、過去に近医でERCP後重症膵炎を発症したため患者本人から承諾が得られず施行できなかった。【経過】副乳頭部腫瘤により背側膵管の膵液流出障害が起きたことで膵炎を繰り返していたと考えられた。治療目的に当院外科紹介、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術が施行された。切除標本では総胆管と腹側膵管はVater乳頭に開口していたが、背側膵管は副乳頭に開口していた。病理組織では病変は副乳頭に存在し、長径約4mm大の隆起性病変が膵管内を充満するように増生しており、異形腺上皮が管腔状や一部乳頭状に増殖し高分化腺癌の像であった。病変は粘膜内に限局しており、脈管侵襲は明らかではなかった。露出腫瘍型、4×3mm,adenocarcinoma(tub1),pm,pPanc0,pDu0,pN0,pEM0,StageIAと診断した。【結語】Pancreas divisumに合併した副乳頭部癌の1手術例を経験した。貴重な症例と思われ、若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 |
Pancreas divisum, 副乳頭部癌 |