セッション情報 一般演題

タイトル O-07:

難治性潰瘍性大腸炎に対するインフリキシマブの有効性についての検討

演者 宍倉 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科)
共同演者 高橋 広喜(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 岩渕 正広(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 杉村 美華子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 梅津 輝行(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 菊池 弘樹(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 吉田 はるか(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 高野 幸司(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 山尾 陽子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 塩塚 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 阿子島 裕倫(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 野口 謙治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 木村 憲治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田邊 暢一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 真野 浩(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 鵜飼 克明(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田所 慶一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 鈴木 博義(国立病院機構 仙台医療センター 病理診断科)
抄録 【はじめに】2010年にインフリキシマブ(IFX)が潰瘍性大腸炎(UC)の治療薬として承認され,その有効性が報告されている.当科ではUC再燃時に外来でのステロイド内服や白血球除去療法では効果不十分な症例に対しては,入院後タクロリムス(TAC)を早期に投与している.さらにTACによる有害事象や効果減弱などの不耐例に対しては引き続きIFXでの寛解導入を行っている. 【目的】難治性UCに対するIFX投与による有効性を明らかにする.【対象・方法】2010年6月~2012年11月までにTAC投与を要した28例中,IFX追加を要した難治性 UC6症例を対象とした.IFXは5mg/kgで,0,2,6週の3回投与終了または8週間隔の維持投与を施行した.治療効果の判定についてはCAI(Clinical activity index,Lichitiger)を用い,寛解をCAI≦4,10以下かつ3以上の低下を有効と定義し, IFX投与開始から8週間後,30週後の治療成績や手術回避率などを検討した.【結果】6例は男女比1:2,平均年齢は36.5歳であった.平均罹病期間は4.4年であった.病型分類は全大腸炎は4例,左側大腸炎は2例であった.ステロイド抵抗性は2例,ステロイド依存性は4例であった.投与8週での短期奏効率については寛解が3人(50%),有効が2人(33%)であり, 寛解と有効を合わせると83%であった.6例中1例はIFX2週投与後無効なため手術となった.投与30週以降の長期経過を追えた2例において,1例は寛解を維持しているが,もう1例はIFX投与57週目に再燃し手術へと移行した.これら6症例については,肺炎などの重篤な感染症は認めなかった.【まとめ】当科では難治性UCに対してはCAPやステロイドの効果が不十分と判断した場合には早期にTACを導入し,さらにTAC不耐例対してはIFXを導入している.TAC不耐な難治性UCに対しIFXは有効な治療法と思われた.
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ