セッション情報 一般演題

タイトル O-05:

SLEに合併した虚血性腸炎型ループス腸炎の1例

演者 水谷 久太(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野)
共同演者 及川 寛太(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 織笠 俊輔(岩手医科大学 病理学講座 分子診断病理学分野), 吉田 雄一(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 鳥谷 洋右(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 横山 直記(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 遠藤 昌樹(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 千葉 俊美(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 滝川 康裕(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 鈴木 一幸(岩手医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科分野), 上杉 憲幸(岩手医科大学 病理学講座 分子診断病理学分野)
抄録 全身性エリテマトーデス(SLE)における消化管病変には血管炎に基づくループス腸炎の合併がある.虚血性腸炎型と多発潰瘍型に大別される. その発症頻度は0.2%と報告されており,今回, 我々はループス腸炎(虚血性腸炎型)を発症した症例を経験したので報告する. 症例は30歳, 女性.既往歴は14歳時にSLEと診断され,プレドニゾロン(以下PSL)内服加療中であった.現病歴は, 平成24年7月24日昼ごろより嘔気,嘔吐,腹痛を認め,同日夕方に当院救急外来を受診.採血上,軽度の炎症反応と腹部単純写真で小腸ガス像,腹部単純CTで十二指腸水平脚に浮腫による壁肥厚像を認めた.内服処方と鎮痛薬の投与にて帰宅となった.翌日,腹痛および背部痛も伴うようになり当科受診.採血上は悪化を認めないが,腹部CT造影検査では十二指腸水平脚から空腸の壁肥厚像は増強し,周囲にeffusionも認めた.同日の小腸内視鏡検査では,十二指腸水平脚に全周性の浮腫性変化を認め,局注後のように粘膜表面の透見性を認めた.入院後よりPSLの増量(30mg/日)と絶食,点滴加療にて改善を得られた.当科で経験した他のSLEに合併した腸炎の検討も加えて,報告する.
索引用語 SLE, ループス腸炎