共同演者 |
葛西 和博(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 鈴木 悠地(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 水谷 久太(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 鈴木 彰子(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 佐原 圭(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 牛尾 晶(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 宮本 康弘(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 葛西 幸穂(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 及川 純子(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 及川 寛太(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 滝川 康裕(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 鈴木 一幸(岩手医科大学 医学部 内科学講座 消化器肝臓内科分野) |
抄録 |
目的:肝内胆管癌(ICC)の多くは切除不能であり、Gemcitabine(GEM)を中心とした全身化学療法が施行されることが多いが、その効果は十分ではなく、標準治療として確立されたものはない。今回我々はICCに対してペグインターフェロン製剤(PEG-IFNα-2b)を用いて、PEG-IFNα-2b/5FU併用動注化学療法を施行し、その評価を行った。対象と方法:2006年8月から2010年10月までに当科で経験した切除不能かつ門脈腫瘍浸潤を伴うICC 11例(男性7例、女性4例、35-77歳) について治療奏功率、累積生存率を検討した。進行度はstage IV-A:7例、IV-B:4例であった。尚、初発例は10例、再発例は1例であった。治療は肝動注リザーバーカテーテルをGDA coil法により留置後、1クール4週間としてPEG-IFNα-2b:50-100ugを週1回4週間皮下投与し、5FUは250mg/日を5投2休でリザーバーから4週間動注した。各クール終了時に4phase CTで評価した。結果:施行クール数は平均1.7クールで、最長施行回数は6クールであった。全体の奏効の割合は、CR:PR:SD:PD=0:6:4:1であり、治療奏功率(CR+PR/全症例)は、55% であった。6,12,18,24ヶ月累積生存率は各々77.1, 64.3, 64.3, 32.1%であった。stage IVAの1例では治療後に腫瘍の著明な縮小を認め手術可能となり肝切除施行されている。副作用では骨髄抑制NCI-CTC grade 1/2が8例/2例認められ、その他食欲不振、吐気(いずれもgrade 1-2)が5例認められたが、治療中止となった症例はなかった。結論:今後更なる症例の蓄積や長期間の経過観察が必要であるが、PEG-IFNα-2b/5FU併用肝動注化学療法はICCに対する有効な治療法の一つに位置づけられる可能性があると考えられる。 |