共同演者 |
小棚木 圭(秋田赤十字病院 消化器外科), 佐藤 公彦(秋田赤十字病院 消化器外科), 吉楽 拓哉(秋田赤十字病院 消化器外科), 岩崎 渉(秋田赤十字病院 消化器外科), 最上 希一郎(秋田赤十字病院 消化器外科), 澤田 俊哉(秋田赤十字病院 消化器外科), 吉川 雅輝(秋田赤十字病院 消化器外科), 大内 慎一郎(秋田赤十字病院 消化器外科), 小棚木 均(秋田赤十字病院 消化器外科) |
抄録 |
[目的] 胃癌化学療法中に癌性DICを合併しmodifiedDCF(mDCF)療法により離脱できた症例を経験したので報告する。 [症例] 30代女性。 [主訴]右肩痛、腹部膨満、紫斑。 [家族歴、既往歴] 特記事項なし。 [現病歴]201X年3月近医受診し上部消化管内視鏡検査、CTなど諸検査にて胃体部癌リンパ節転移腹膜転移骨転移の診断で当院紹介。組織型sig、HER2-,T3,N3,P1,CYX,H0,M1,stageIV。化学療法の方針とし1次治療S-1+CDDP(S-1 day1-21, CDDP day8, 1コース5週)を3コース施行。 原発巣、リンパ節転移縮小も腹膜転移増悪、癌性DIC出現したため、2次治療S-1+DTX(S-1 day1-14, DTX day1, 1コース3週)に変更し1コース目でDIC離脱 。しかし2コース目途中(S-1服用中)に再び癌性DICとなり入院。血小板40x10 3/μl、FDP49.9μg/ml、Fib169mg/dl 、PT-INR1.57、DICスコア12点。CT検査では両鎖骨上窩リンパ節から腹部大動脈周囲リンパ節に渡るリンパ節転移、腹膜転移、右胸膜転移、両側卵巣転移、多発性骨転移、皮下転移、腹水、右胸水を認めた。3次治療としてmDCF(DTX, LV, 5FU静注day1, 5FU持続静注day1-2, CDDP day3, 1コース2週)を選択した。治療は早期に反応し1週目にはDICから離脱しその後も同療法継続しDICの再燃はなかった。また転移巣は縮小、胸水腹水も減少しPR。有害事象はgrade3口内炎、嘔気、好中球減少を認め7コース目以降はCDDPを休薬して治療継続可能であった。 [結語] 予後不良な胃癌癌性DICに対して3次治療としてmDCF療法を施行しDICから離脱できた。同系統の薬剤であっても投与法を変更することにより効果を見い出すことができた。 |