セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-37:粘膜下腫瘍様の形態を呈した食道癌の胃壁内転移の1例 |
演者 | 土屋 堯裕(東北大学病院 胃腸外科) |
共同演者 | 鹿郷 昌之(東北大学病院 胃腸外科), 長尾 宗紀(東北大学病院 胃腸外科), 田中 直樹(東北大学病院 胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学病院 胃腸外科), 工藤 克昌(東北大学病院 胃腸外科), 大沼 忍(東北大学病院 胃腸外科), 羽根田 祥(東北大学病院 胃腸外科), 森川 孝則(東北大学病院 肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学病院 肝胆膵外科), 元井 冬彦(東北大学病院 肝胆膵外科), 小川 仁(東北大学病院 胃腸外科), 内藤 剛(東北大学病院 胃腸外科), 三浦 康(東北大学病院 胃腸外科), 片寄 友(東北大学大学院 統合がん治療外科学), 柴田 近(東北大学病院 胃腸外科), 海野 倫明(東北大学大学院 消化器外科学) |
抄録 | 【症例】57歳男性【現病歴】2010年9月の検診で下部食道に陥凹性病変を2病変指摘され、前医にて生検を施行し扁平上皮癌の診断であった。当院消化器内科紹介となり同年11月にESDを施行。切除標本の病理結果はhigh grade intraepithelial neoplasiaであった。以後経過観察となっていたが、2012年7月に内視鏡にて胃体上部後壁の粘膜下腫瘍を指摘された。この際に食道ESD瘢痕の肛門側に粘膜下腫瘍様の隆起を認めたが、生検で悪性所見を指摘されず経過観察となっていた。胃病変についてはGISTが疑われていたが壁外発育型腫瘍のため生検が困難であり、また腫瘍の増大が急速で悪性も否定できないことから、診断を兼ねて外科的切除の方針となり平成24年8月に当科紹介となった。【経過】平成24年9月に腹腔鏡下胃部分切除術を施行。胃体上部小彎後壁に約4cmの壁外発育型腫瘍を認め、腫瘍付着部の胃壁をlinear staplerで切離し腫瘍を切除した。術後経過は良好で第11病日に退院となった。切除標本の病理検査では好酸性の細胞質を有する異型細胞が充実胞巣を形成し、腺管形成や角化を認めない低分化癌の所見であった。免疫染色ではAE1/AE3陽性、CAM5.2陰性、34βE12陽性であり扁平上皮癌の診断となった。他臓器扁平上皮癌の胃壁内転移を疑い再度全身検索を行ったが原発巣を指摘できず、食道の隆起性病変に対し再度生検を行ったところ低分化型扁平上皮癌が検出された。EUSでは深達度SM2であった。以上より食道癌の胃壁内転移と診断され、現在消化器内科と食道外科で治療方針につき検討中である。【結語】本症例においては食道癌が粘膜下腫瘍様の形態を呈していたことから診断に苦慮し、先のESD治療後に粘膜下から再発した可能性も否定できない。胃壁内腫瘍の鑑別診断として食道癌の転移を考慮すべきと考えられた。 |
索引用語 | 食道癌, 胃壁内転移 |