セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-47:genotype Bが過半数を占める地域におけるB型肝炎治療の現状について |
演者 | 三浦 雅人(みやぎ県南中核病院 消化器内科) |
共同演者 | 藤坂 泰之(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 洞口 愛(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 梅村 賢(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 飯岡 佳彦(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 大沼 勝(みやぎ県南中核病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】宮城県・県南部に位置する当院ではgenotype Bの症例がB型慢性肝疾患症例の半数以上を占めているが(第54回日本消化器病学会大会既報)、今回当院におけるB型肝炎治療の現状についてgenotypeの違いに特に注目して検討した。【方法】2011年5月以降genotypeを測定したB型慢性肝疾患症例(HBVキャリアも含む)118例(男性63例、女性55例)(genotype A 2例、B 63例(53.4%)、C 37例(31.4%)、D 1例、判定保留 15例)のうち、2012年3月末の時点で核酸アナログ製剤が投与されていたgenotype B 21例(エンテカビル(ETV)単独19例、ラミブジン(LVD)+アデホビル(ADV)2例)、C 15例(全例ETV)を対象として、1)治療前の背景因子(年齢、性、HBe抗原陽性率、HBV-DNA量、ALT値)と、2)ETV投与例のうち当院で治療を開始し投与6ヶ月目まで経過観察できた症例(genotype B 14例、C 10例)における治療応答性の違いについて比較検討した。【成績】1)genotype B群の方の年齢が有意に高く(57.6±14.9歳vs45.9±7.4歳:P<0.01)、HBe抗原陽性率が低率であった(9.5%vs46.7%:P=0.01)。また、genotype B群の方が全体では治療開始時のHBV-DNA量が低い傾向(6.32±1.17vs7.01±1.21Logcopies/ml)が認められたが、ALT値が200IU/L以上の急性増悪時に治療を開始した症例が6例(28.6%)存在した(ALT233~576IU/L)。一方、genotype C群ではALT200IU/L以上で治療を開始した症例は認められなかった。2)genotype B群とgenotype C群のETV投与後のHBV-DNAの陰性化率(<2.1Logcopies/mlを含む)を比較すると、1ヶ月目は35.7%vs0%、6ヶ月目では85.7%vs50%であり、genotype B群で治療反応性が良好であった。【結論】当院で治療対象となったgenotype B症例は比較的高齢のHBe抗原陰性症例が多かった。また、急性増悪時に治療介入した症例が多かったが、投与前のHBV-DNA量が比較的少ないため投与後のHBV-DNAの陰性化は速やかであった。 |
索引用語 | B型慢性肝炎, 核酸アナログ |