セッション情報 一般演題

タイトル O-78:

膵胆道癌に対する胆管・十二指腸ダブルステンティングの治療成績

演者 菅野 良秀(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科)
共同演者 伊藤 啓(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 藤田 直孝(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 野田 裕(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 小林 剛(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 洞口 淳(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 越田 真介(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 小川 貴央(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 枡 かおり(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科), 橋元 慎一(仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科)
抄録 【背景と目的】切除不能膵胆道癌はしばしば胆道閉塞や十二指腸閉塞をきたし,姑息的治療法として内視鏡的ステンティングがある.胆道閉塞と十二指腸閉塞をともにきたした症例に対する内視鏡治療の成績を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象は,2009年から2012年に胆道閉塞と十二指腸閉塞の両者に対して姑息的治療を行った21例 (男女比13:8,平均年齢72±10歳.外科的バイパス術施行例は除く).当センターにおける胆道ドレナージ法は,内視鏡的経乳頭的胆道ステンティング (EBS) を第一選択としており,経乳頭的アプローチが困難な症例に対しEUS下胆道ドレナージ (ESBD) または経皮経肝胆道ドレナージ (PTBD) を検討している.胆道ドレナージ (BD)・十二指腸ステンティング (DS) の時期,手技関連偶発症,治療効果,各々のtime-to-dysfunction (TTD),生存期間について検討した.治療効果について,BDではtotal bilirubinが治療前の1/2未満に減少するか正常化した症例を,DSでは柔らかな固形物が摂取可能となった症例を,治療効果良好と定義した.Dysfunctionは,BDでは黄疸もしくは区域性胆管炎の発現,DSでは柔らかい固形物が摂取不可能となることと定義した.【成績】原疾患は,膵癌13例,胆道癌8例であった.BDの方法は,EBS 13例,ESBD6例,PTBD2例であった.BDとDSが同時期に施行された症例は9例,BDがDSに先行した症例は12例であり,DSが先行した症例はなかった.同時期に留置した9例におけるBD法は,ESBD5例,PTBD2例で,EBSは2例であった.手技関連偶発症は,EBS後2例,DS後1例で軽症膵炎を認めた.全例でBDの治療効果は良好であり,DSでは86% (18/21) で良好であった.治療効果良好例におけるTTD中央値は,BDで141日 (95%信頼区間 [95%CI] は算出不能),DSでは75日 (95%CI, 22-128) であった.治療施行後の生存期間中央値は55日 (95%CI, 13-97) であった.【結語】膵胆道癌における胆管・十二指腸ダブルステンティングは安全に施行可能で,予後の限られた症例に対する姑息的治療として有用と考えられる.
索引用語 十二指腸閉塞, 十二指腸ステント