セッション情報 一般演題

タイトル O-34:

日本人におけるバレット食道の臨床特徴

演者 新海 洋彦(東北大学 大学院 消化器病態学分野)
共同演者 飯島 克則(東北大学 大学院 消化器病態学分野), 小池 智幸(東北大学 大学院 消化器病態学分野), 阿部 靖彦(山形大学医学部内科学第二講座), 大楽 尚弘(山形大学医学部内科学第二講座DELIMITERいわき市立総合磐城共立病院), 猪股 芳文(いわき市立総合磐城共立病院DELIMITERJR仙台病院), 萱場 尚一(岩手県立胆沢病院), 及川 智之(八戸市民病院), 大矢内 幹(大崎市民病院), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院), 星 達也(気仙沼市立病院), 大原 秀一(東北労災病院), 下瀬川 徹(東北大学 大学院 消化器病態学分野)
抄録 【目的】バレット食道に関連している危険因子として、男性、喫煙、胃酸逆流症状、肥満などが報告されているが、これらは全て欧米からの報告で、本邦を含むアジアからの報告は極めて少ない。また本邦からの報告はshort-segmentやultrashort-segmentを対象にしたものが多く、long-segmentの多い欧米からの報告と単純に比較することはできない。これらの原因としてバレット食道(特にlong-segment)の罹患率が本邦では低いため、単一施設からの多数例での検討が難しいことがあげられる。またバレット食道の危険因子に関しては人種間で大きく異なることが知られており、long-segmentの多い欧米のデータがそのまま、日本に当てはまるかどうかは不明である。今回、日本人におけるバレット食道の臨床特徴、危険因子を明らかにすることを目的とした。【方法】2010年4月から2012年3月の期間で、東北大学病院消化器内科、及び関連病院で上部内視鏡検査を施行された患者のうち、年齢20歳以上、内視鏡上2cm以上のバレット食道を有する113例(男性93例、女性20例)を対象とした。性・年齢をマッチさせた内視鏡的に異常を認めないものをコントロールとし、各患者背景の比較を行い、バレット患者の危険因子を検討した。【結果】バレット患者は平均年齢63.4±13.0歳、男性61.5±12.3歳、女性71.8±13.3歳であり、女性で有意に高齢であった。バレット粘膜最大長は平均4.0±2.1cmであり、3cm以上の症例は82例であった。バレット粘膜全周長は平均2.4±1.9cmであり、3cm以上の症例は34例であった。BMIはバレット患者24.4±3.8kg/cm2、コントロール群23.4±3.0kg/cm2であり、バレット患者で有意に高値であった。現在の喫煙歴、飲酒歴に関しては両群で有意差は認めなかった。LosA以上の逆流性食道炎はバレット患者の30%、コントロール群の4.7%に認められ、食道裂孔ヘルニアの合併はバレット患者の94.4%、コントロール群の26.5%に認められた。いずれもバレット患者で有意であった。【結論】今回2cm以上の明らかなバレット食道患者のみを対象として、その臨床特徴、危険因子を解析し報告する。
索引用語 バレット食道, 特徴