セッション情報 一般演題

タイトル O-79:

集学的治療を行った重症膵炎の1例

演者 青木 隼人(仙台厚生病院 内視鏡センター)
共同演者 奥薗 徹(仙台厚生病院 内視鏡センター), 石橋 潤一(仙台厚生病院 内視鏡センター), 二瓶 公佑(仙台厚生病院 内視鏡センター), 橋本 林太朗(仙台厚生病院 内視鏡センター), 中條 恵一郎(仙台厚生病院 内視鏡センター), 西条 勇哉(仙台厚生病院 内視鏡センター), 濱本 英剛(仙台厚生病院 内視鏡センター), 宮下 祐介(仙台厚生病院 内視鏡センター), 水野 浩志(仙台厚生病院 内視鏡センター), 高橋 佳之(仙台厚生病院 内視鏡センター), 羽根田 晃(仙台厚生病院 内視鏡センター), 佐藤 俊(仙台厚生病院 内視鏡センター), 高林 広明(仙台厚生病院 内視鏡センター), 三宅 直人(仙台厚生病院 内視鏡センター), 三島 利之(仙台厚生病院 内視鏡センター), 松田 知己(仙台厚生病院 内視鏡センター), 中堀 昌人(仙台厚生病院 内視鏡センター), 長南 明道(仙台厚生病院 内視鏡センター)
抄録 【症例】40歳代 男性【既往歴】B型肝炎ウイルスキャリア【生活歴】飲酒:焼酎4合/日【現病歴】2012年8月朝食後より腹痛出現した。前医受診し、急性膵炎の診断となり加療行うも増悪したため当院転院となった。【入院時検査所見】採血にて炎症反応、膵肝胆道系酵素の上昇、腎機能低下を認めた。腹部造影CTでは胸腹水、膵全体に造影不良、膵周囲から腎下極以遠まで脂肪織濃度上昇や液体貯溜を認め、CTgrade3の所見であった。予後因子は7点で重症急性膵炎の診断で入院となった。【入院後経過】中心静脈カテーテル、動注カテーテル、血液透析用カテーテル留置、選択的消化管除菌目的に経管栄養用としてイレウスチューブを留置した。大量補液、蛋白分解酵素阻害薬、抗生物質、PPI投与、持続的血液濾過透析(CHDF)にて集学的治療開始した。第2病日に呼吸状態増悪したため、気管挿管し人工呼吸器管理とした。呼吸状態改善のために第15病日に両側胸腔にドレーン留置した。第22病日よりCHDF離脱し、血液透析に変更した。第28病日造影CT施行。後腹膜の膿瘍、壊死物質の大きさに著変なく、被包化されていた。腹水は増悪し、腹部緊満感著明であった。腹部コンパートメント症候群をきたし、呼吸・循環動態に悪影響を及ぼしていると考え、第29病日に腹水濾過濃縮再静注(CART)を施行した。その後、胸腹水、呼吸状態の改善、尿量増加を認め、第40病日に人工呼吸器離脱した。第45病日造影CT施行し、膵前方の膿瘍および壊死組織の増大を認めた。第53病日内視鏡的膵膿瘍ドレナージを施行し、内外瘻チューブを留置した。膿瘍ドレナージ後も炎症反応、発熱持続しており壊死組織に感染をきたしていると考え、第61病日に膵壊死部に対して内視鏡的necrosectomy施行。2回目のnecrosectomyの際に膿瘍腔内より湧出性出血を認め、止血困難で緊急手術となった。手術後は経過良好で壊死物質は縮小傾向である。【結語】集学的治療を行った重症急性膵炎の1例を経験した。重症急性膵炎は未だに致死率が高い疾患であり、我々が施行した治療を若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 CART, necrosectomy