セッション情報 一般演題

タイトル O-105:

横行結腸癌による成人腸重積症の1例

演者 佐藤 圭佑(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科)
共同演者 高橋 広喜(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 山尾 陽子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 塩塚 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 宍倉 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 杉村 美華子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 阿子島 裕倫(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 野口 謙治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 木村 憲治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田邊 暢一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 岩渕 正広(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 真野 浩(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 鵜飼 克明(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田所 慶一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 矢崎 伸樹(国立病院機構 仙台医療センター 外科), 島村 弘宗(国立病院機構 仙台医療センター 外科), 鈴木 博義(国立病院機構 仙台医療センター 臨床検査科), 森 芳正(森消化器内科外科)
抄録 【症例】61歳、男性。2012年9月に血便を主訴に近医を受診した。下部内視鏡検査を施行し横行結腸に管腔内を占める1型進行癌を認め、9月中旬に当院を紹介となった。入院時、血便を認めるも嘔気、腹痛はなかった。腹部はやや膨満し、右上腹部に軽度の圧痛をともなっていたが腹部腫瘤は認めなかった。血液検査所見にて貧血なく腫瘍マーカーCEA、CA19-9は正常範囲内であった。腹部CTにて横行結腸右側に結腸内に腸間膜の脂肪織が入り込み、先進部先端の壁が肥厚していたことより腫瘍部を先進部とした腸重積が疑われた。X線透視下に下部内視鏡検査を施行し横行結腸肝彎曲部に管腔全体を占める1型進行癌を認めた。引き続きガストログラフィンによる注腸造影検査を施行し同部位に蟹爪状の陰影欠損を認めた。造影剤は口側腸管へは流入せず、重積状態のまま検査を終了した。9月下旬に外科へ転科し待機的に開腹術を施行した。術中所見では横行結腸肝彎曲部より腸間膜側中心に50mm大の1型進行癌による腸重積を認めた。癌腫は奨膜面への浸潤が疑われたが、腹水や腹膜播種など認めず、右半結腸切除およびD3リンパ節郭清を行った。切除標本では、腫瘍はI型、55×45mm大で、病理組織学的所見はtub2, ss, ly1, v1, n0, stageIIであった。術後経過は良好で、術後14日目に退院となった。【考察】成人の腸重積症は全腸重積症の5~10%であり、多くは小腸に発生し大腸に生じることは少ない。結腸癌に起因した腸重積症においてはS状結腸が43~47%、盲腸が30~33%に認められ、横行結腸は2~11%と比較的まれである。横行結腸癌による腸重積症は、高齢の女性、腫瘍径は大きく、腫瘍の形態は隆起型、深達度はssの症例が多いとされる。【結語】横行結腸癌に起因した腸重積症の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。
索引用語 腸重積, 結腸癌