セッション情報 | シンポジウム「B型肝炎治療の工夫」 |
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タイトル | S-14:当院におけるHBVキャリアに対する非専門医からのコンサルトへの対応 |
演者 | 長崎 太(仙台市立病院消化器内科) |
共同演者 | 関根 仁(仙台市立病院消化器内科), 菊地 達也(仙台市立病院消化器内科), 境 吉孝(仙台市立病院消化器内科), 川村 昌司(仙台市立病院消化器内科), 中入 悠(仙台市立病院消化器内科), 高井 智(仙台市立病院消化器内科), 榛沢 崇(仙台市立病院消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】当院は三次救急対応公立総合病院であり、HBVキャリアは救急搬送時や他疾病合併例をはじめ、専門医が必ずしも初診対応とならない。以前はHBVキャリアへのステロイド投与による肝障害発症後や緊急手術直前のコンサルトが散見されたが、最近は血液疾患でのHBV再活性化の問題をうけ、各科でHBVキャリアの対応が周知され、早期のコンサルトにより余裕をもった対処が可能になり、通常時はガイドラインをもとにHBV関連マーカーと臨床学的情報を勘案し治療方針を決定している。ただ、夜間休日や緊急時医療情報が不十分な状態でのHBVキャリアのコンサルトが課題である。患者背景により病歴聴取が困難な場合もあり、理学的所見と最小限の血液生化学検査、画像所見のみでChild-Pugh分類、血小板値を念頭に短時間に方針決定せざるをえない。最近経験した夜間休日他科初診のHBVキャリア3例を提示する。【61歳女性】著明な全身性浮腫にて救急搬送。意識レベル低下のため詳細な病歴聴取不能、検査所見より劇症肝炎を疑い保存的加療施行するも第3病日に死亡。【49歳男性】交通外傷にて救急搬送され整形外科的準緊急手術が予定された。非代償性肝硬変だが周術期は肝庇護剤で対応可能、長期的には抗ウイルス剤が必要と判断するもadherenceが懸念され、術後に十分な説明後に導入。【44歳女性】顔面神経麻痺に対し即日からステロイド投与可否のコンサルト。予備能良好で予防処置なしで対応可能と判断、マーカー判明後も肝障害増悪なく治療完遂。【結果】いずれも非専門医からの最小限の医療情報ではあるが早期にコンサルトを受けたことで軽症から重症例まで方針決定が可能であった。【結論】当院では各科への情報周知やスムーズな連携によりHBVキャリアは早期に専門医にコンサルトされている。緊急時には最小限の臨床情報での対応が要求されるが、他科との協力によりトラブルなく治療が行われている。【まとめ】HBVキャリアへの対応については、専門医と非専門医との緊密な相互連携を構築することが重要と考えられた。 |
索引用語 | HBV, 肝炎 |