セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-67:横行結腸癌の穿通により脾膿瘍を呈した1例 |
演者 | 沖津 篤(東北厚生年金病院 消化器科) |
共同演者 | 松村 吉史(東北厚生年金病院 消化器科), 支倉 翔太郎(東北厚生年金病院 消化器科), 本郷 星仁(東北厚生年金病院 消化器科), 鈴木 範明(東北厚生年金病院 消化器科), 宇都宮 恭子(東北厚生年金病院 消化器科), 米地 真(東北厚生年金病院 消化器科), 目黒 敬義(東北厚生年金病院 消化器科), 山本 毅(東北厚生年金病院 消化器科), 岩指 元(東北厚生年金病院 外科) |
抄録 | 【症例】70歳台女性【主訴】食思不振、全身倦怠感【既往歴】高血圧症【現病歴】平成24年9月、食思不振、全身倦怠感を主訴に当院受診。37℃台発熱、採血にてWBC 22000/μl、CRP 31.6mg/dl、脱水、尿白血球エステラーゼ陽性を認めた。呼吸器症状や腹部症状に乏しく、単純CT上も明らかな感染巣を同定できず、尿路感染症疑いにて入院となった。【入院後経過】抗菌剤CTRXを開始したところ、解熱し炎症所見も改善したが、左側胸部痛が出現した。第4病日の胸部レントゲンにて左胸水増加を認め、穿刺・細胞診を施行した。細胞診の結果は陰性であったが、胸水中腫瘍マーカーの上昇を認め、血清CEAを測定したところ15.0ng/mlと高値であった。造影CTでは脾臓に接する結腸の壁肥厚があり、脾内にはガスを含む膿瘍形成を認めた。注腸造影を行ったところ、脾彎曲部の結腸に狭窄があり、同部位から造影剤漏出が疑われた。翌日のCTでは脾内膿瘍腔に造影剤の停留が認められ、結腸癌の脾臓穿通に伴う脾膿瘍と診断した。当初大腸内視鏡検査も予定していたが、膿瘍破裂等の可能性も考えられたため実施しなかった。高カロリー輸液による管理を行い、34病日目に左結腸切除及び膵尾部・脾合併切除術を施行した。腫瘍は横行結腸脾彎曲部に存在し、脾臓と一塊になっていた。膿瘍は脾臓の被膜に包まれる形で認め、胃の大彎側および左横隔膜と癒着していたが、いずれも剥離可能であった。病理組織診断は、type3、35mm、tub2>muc、pSI、ly3、v3、pN2、pStageIIIbであった。術後化学療法については年齢も考慮し施行せず、現在経過観察中である。【考察】結腸癌に脾膿瘍を合併する例は稀であり、我々が検索しえた範囲では本邦で19例の報告のみであった。結腸癌の多臓器浸潤は小腸や腹壁が多く、脾臓浸潤はそれほど多くない。しかし、敗血症や門脈ガス血症を併発する例もあり、脾膿瘍の原因として結腸癌穿通も念頭に置く必要があると思われた。 |
索引用語 | 大腸癌, 脾膿瘍 |