セッション情報 特別企画 初期研修医(卒後2年迄)

タイトル W-03:

出血原因不明の大量下血で入院となった神経線維腫症1型の一例

演者 松木 久住(太田西ノ内病院 消化器科)
共同演者 間 浩正(太田西ノ内病院 消化器科), 今泉 博道(太田西ノ内病院 消化器科), 草野 昌樹(太田西ノ内病院 消化器科), 橋本 健明(太田西ノ内病院 消化器科), 今村 秀道(太田西ノ内病院 消化器科), 鈴木 聡(太田西ノ内病院 消化器科), 迎 慎二(太田西ノ内病院 消化器科)
抄録 【症例】50歳代、男性【既往歴】神経線維腫症1型(von Recklinghausen病)、統合失調症にて前医入院加療中である。【現病歴】6年前に下血による意識消失を起こし入院歴があるが、出血原因は不明であった。平成24年9月、前医入院中に大量下血にて下部消化管内視鏡を施行したが大腸内に明らかな出血源を認めなかった。上部消化管出血の疑いにて精査加療目的に当院紹介・転院となる。
【入院後経過】入院後、上部・下部消化管内視鏡を施行するも明らかな出血源は不明であった。スクリーニング目的に腹部造影CTを施行したところ小腸に大きさ20mm大の造影効果を伴う腫瘤像を数個認めた。また小腸カプセル内視鏡施行にて、空腸粘膜下に血管造成を伴う粘膜下腫瘍を認めた。後日、腹部血管造影検査を施行したところ、腹部造影CTでの病変以外にも腹腔内に多発する大小の腫瘍濃染像を認めた。
下血の原因として小腸粘膜下腫瘍からの出血が考えられたため、出血コントロール目的に小腸部分切除術を施行した。小腸全体に直径5mm前後の粘膜下腫瘍を多数認めたが、下血の主原因と考えられる大きい腫瘍のみを切除した。免疫染色においてc-kit(+), CD34(+)を示しGISTの病理診断となった。術後、多発性のc-kit陽性GISTの評価にてイマチニブ投与が開始されたが、残存したGISTの増大により腸閉塞をきたし入院継続となっている。
【考察】近年、神経線維腫症1型にはGISTを中心とした消化管間葉系腫瘍を合併しやすいことが報告されるようになった。一般にGISTの多くが胃発生でありその大半が単発例であるのに対して、神経線維腫症1型合併のGISTは多くが小腸原発で、半数近くが多発例との報告もある。神経線維腫症1型の消化管出血の場合、GISTを含めた小腸腫瘍からの出血も消化管出血の鑑別として想定するべきであろう。また術前に血管造影検査を施行することで多発するGISTを評価することが可能となり、診断に有用であった。
索引用語 神経線維腫症, GIST