セッション情報 一般演題

タイトル O-44:

急性長軸性胃軸捻転症の一例

演者 三浦 真奈美(岩手県立中央病院 内視鏡科)
共同演者 松本 信(岩手県立中央病院 内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 大方 英樹(岩手県立中央病院 消化器科), 高橋 健一(岩手県立中央病院 消化器科), 横山 直信(岩手県立中央病院 消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院 消化器科), 金澤 義丈(岩手県立中央病院 消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院 消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院 消化器科), 池端 敦(岩手県立中央病院 消化器科)
抄録 【症例】83歳男性【主訴】上腹部痛、嘔吐【既往歴】高血圧、多発性ラクナ梗塞【現病歴】受診の数時間前より急激な上腹部痛と嘔吐が出現し急性腹症の疑いで当院救急センターに搬送された。【検査所見】WBC7540/μl(好中球6600/μl)、CRP0.28mg/dl、単純腹部レントゲンで胃鏡面形成認め、腹部造影CT検査で長軸性胃軸捻転症と診断した。緊急上部消化管内視鏡検査(EGD)で胃粘膜壊死は認めず、胃内には大量の残渣を認め、前庭部で捻転していた。内視鏡的整復を試みたが捻転部を超えて内視鏡が困難であり保存的に経鼻胃管を挿入して入院とした。【経過】十分に減圧した後に第3病日に再度EGD施行したところ、捻転部は解除されており、十二指腸まで観察が可能であった。同日より食事を開始し再捻転なく退院した。【考察】胃軸捻転症は新生児、乳児に好発する疾患で、成人発症は比較的稀な疾患である。急性腹症で受診される症例が多く、臓器軸性(長軸性)胃軸捻転症においてはしばしば著明な上腹部閉塞症状を認め、なかには腸管壊死をきたした報告もある。腸管壊死をきたした場合は致死率が高いため速やかに外科的治療の適応になる。近年、内視鏡手技の進歩に伴い内視鏡的に整復できる症例が増えているが、経鼻胃管で保存的に軽快した一例を経験した。
索引用語 胃軸捻転症, 内視鏡的整復