セッション情報 一般演題

タイトル O-16:

当院におけるCT colonographyの試み

演者 杉村 美華子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科)
共同演者 岩渕 正広(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 高橋 広喜(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 宍倉 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 梅津 輝行(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 菊池 弘樹(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 吉田 はるか(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 高野 幸司(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 山尾 陽子(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 塩塚 かおり(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 阿子島 裕倫(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 野口 謙治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 木村 憲治(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田邊 暢一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 真野 浩(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 鵜飼 克明(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 田所 慶一(国立病院機構 仙台医療センター 消化器内科), 力丸 裕哉(国立病院機構 仙台医療センター 放射線科)
抄録 【背景】CT colonography (以下CTC)は、腸管を送気ガスにより拡張させCT撮影した腹部画像から、三次元画像処理を行うことで病変の検出や評価が行われる大腸画像診断法である。欧米では、以前よりCTCの大腸癌スクリーニングへの応用が活発に行われ、実臨床への導入が進められているが、本邦においてはH24年にCTCの診療報酬収載がされたばかりである。当院では、薬事承認されたCO2持続注入器を用い、H24年5月よりCTCを導入した。CO2持続注入器は検査中腸管内圧を一定に保つことが可能で、良好な腸管拡張を得ることができるためCTC検査そのものの精度を向上でき、また検査後の腹満感を軽減できる利点がある。撮影には、X線CT装置64列マルチスライスを使用、三次元再構成処理システムは、Terarecon社製ワークステーションを用いた。H24年5月より同年11月までの6カ月間で計36例のCTC症例を経験したので、当院におけるCTCの現状を報告する。【結果】全例大腸内視鏡検査を施行後、同日にCTCを施行しており、前処置としては、ポリエチレングリコール(PEG)液2Lを内服した。36例中男性は22例、女性14例、平均年齢は63.3歳、CTCの施行理由は大腸癌術前検査が18例(50%)と半数を占め、つづいてTCS不成功例8例、クローン病4例、腸結核1例、直腸神経内分泌腫瘍1例などであった。病変の描出能は、大腸癌においては腫瘍径36.8mm(最小13mm)で非常に良好であり、大腸腫瘍の存在診断における有用性を認めた。またクローン病において、縦走潰瘍の描出も良好であった。また、CO2持続注入器に関するアンケートを視覚的評価スケールVAS により施行したところ、CTC終了直後、終了10分後ともに腹満感が著明に改善していることが分かった。【結語】当院でもCTCを導入したばかりであり、今後のシステムの構築も含めて改善点も多く、大腸癌の診療に関してどのようにCTCを活用できるかが検討課題である。CTCは内視鏡検査にとって代わる検査ではないものの、苦痛の少ない低侵襲でかつ精度の高いスクリーニング検査としての可能性も示唆されており、前処置の工夫とともに今後の検討が必要である。
索引用語 大腸, CTC