セッション情報 特別企画 初期研修医(卒後2年迄)

タイトル W-07:

当院におけるHBV患者のマネージメント状況

演者 嶋田 奉広(日本海総合病院 消化器内科)
共同演者 宮澤 弘哲(日本海総合病院 消化器内科), 西塚 麻代(日本海総合病院 消化器内科), 渋谷 りか(日本海総合病院 消化器内科), 池田 千咲(日本海総合病院 消化器内科), 菅原 心平(日本海総合病院 消化器内科), 早坂 高志(日本海総合病院 消化器内科), 吉田 尚美(日本海総合病院 消化器内科), 折居 智彦(日本海総合病院 消化器内科), 青木 政則(日本海総合病院 消化器内科), 鈴木 義広(日本海総合病院 消化器内科), 今泉 和臣(日本海総合病院 消化器内科)
抄録 【背景・目的】現在のB型慢性肝炎の治療ガイドラインでは、35歳未満はDrug free、最終的にHBs抗原陰性を目指してインターフェロン(IFN)治療あるいは核酸アナログ・IFN seqential療法を基本とし、35歳以上ではHBV DNAの持続陰性化およびALTの持続正常化を目指した核酸アナログ製剤長期投与ないしIFN使用によるHBs抗原の陰性化を目指すとされ、従来と比較しIFN治療が重要となっている。当院では65名のHBV患者に核酸アナログを使用しているが、どの症例にIFNを使用すべきか検討するため、現在の治療状況について調べ報告する。【方法】2012年11月までの2年間に核酸アナログ製剤を内服し、治療を継続中の65症例(エンテカビル62例、ラミブジン1例、アデフォビル3例)のうちエンテカビル投与の62例について、患者の背景と現在のウイルス量、ALT値、HBe抗原とHBe抗体の有無を調べる。【結果】年齢は中央値60歳(38-76歳)、性別 男性43例 女性19例、肝癌の既往・合併 6例、平均ALT 21.3 (IU/ml)、HBV DNA量(Log copy/ml)は陰性34例 2.1未満16例 4.0未満5例 4.0以上3例であった。HBe抗原陽性9例(14.5%) 陰性40例(64.5%)  HBe抗体陽性37例(59.7%)陰性12例(19.4%)であった。全62症例中、HBVDNA陰性、HBe抗原陰性でかつ60歳以下をIFN治療の適応と判断した場合、11例(17.7%)に適応ありと考えられた。【考察】核酸アナログ製剤に比べIFN治療はHBs抗原の陰性化率が高いとされているが、十分とはいえず、副作用の殆どなく内服が可能な核酸アナログからIFNへの切り替えは非常に難しいのが現状である。今回の検討では11例にIFN治療の適応があると考えられたが、治療を勧めるにあたりHBV DNA量同様、肝癌の発症に関係が深いとされるHBs抗原量や肝の線維化などを加味し、リスクとベネフィットを比較して判断する必要があると考えられた。
索引用語 拡散アナログ, インターフェロン