セッション情報 | 特別企画 初期研修医(卒後2年迄) |
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タイトル | W-05:経過中に肺血栓塞栓症を合併し突然死した潰瘍性大腸炎の一剖検例 |
演者 | 岡本 大祐(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科) |
共同演者 | 土佐 正規(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 江口 久美子(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 鈴木 喜一(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 駒沢 大輔(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 渡部 敬之(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 近藤 穣(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 伊藤 広通(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 大楽 尚弘(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 上野 孝治(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 池田 智之(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 池谷 伸一(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 中山 晴夫(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科), 浅野 重之(いわき市立総合磐城共立病院 病理科), 樋渡 信夫(いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】26歳男性 【既往歴】14歳からアトピー性皮膚炎 【現病歴】平成18年2月頃から、下痢と血便が出現し、同年3月に近医受診し、潰瘍性大腸炎疑いにて当院紹介受診した。直腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)の診断にて、5-ASA製剤内服にて近医で寛解維持されていた。平成23年9月頃から、腹痛、肛門痛増悪し、粘血便15~20回/日を認め紹介受診となった。大腸内視鏡検査所見では直腸から連続して膿苔の付着、自然出血も認める粘膜、さらにS状結腸に深掘れの多発する潰瘍を認め(Matts grade 4)、病変の口側への伸展を認めた。腹部単純写真、CTで左側結腸炎型と診断した。血液検査では、WBC9300、CRP 13.08 mg/dl、血沈60分 100mmと炎症反応高度亢進を認め、重症潰瘍性大腸炎として9月20日入院となった。入院後、PSL強力静注療法(60mg)及び、抗生剤開始したが改善に乏しく、同23日からGCAP intensive therapyを開始した。その後腹痛、血便の改善認め、PSL30mgまで漸減し、10月20日に退院となった。その後、外来にて症状の再燃を認めず、PSL15mgまで漸減されていた。しかし、平成23年11月21日の朝9時9分、家族がふとんの中で意識を失って倒れている患者を発見し救急要請。(最終目撃は11月20日23時)救急隊現着時(9時18分)心肺停止状態(asystole)で当院救命センターにCPR下に救急搬送された。来院後心肺蘇生継続するも、蘇生せず、11時7分死亡確認にいたった。 【剖検所見】両側肺動脈に新鮮血栓と出血を認め、死因は肺動脈血栓塞栓症によるものと考えられた。 【結語】ステロイド強力静注療法、顆粒球除去療法により寛解導入され、ステロイド漸減中に肺血栓塞栓症を合併し死亡した潰瘍性大腸炎の一例を経験した。UC自体の炎症、ステロイドの影響で線溶系に異常をきたすため深部静脈血栓症と肺塞栓症はUCの腸管外合併症として、寛解期であっても常に念頭に置くべきであると考えた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 肺塞栓症 |