セッション情報 一般演題

タイトル O-27:

S-1+CDDP療法が奏功し、治癒切除が可能となった高度リンパ節転移を伴う進行胃癌の一例

演者 鈴木 喜一(磐城共立病院  消化器内科)
共同演者 樋渡 信夫(磐城共立病院  消化器内科), 池谷 伸一(磐城共立病院  消化器内科), 草野 昌男(磐城共立病院  消化器内科), 織内 竜生(磐城共立病院  消化器内科), 小島 敏明(磐城共立病院  消化器内科), 大楽 尚弘(磐城共立病院  消化器内科), 大楽 紀子(磐城共立病院  消化器内科), 山極 哲也(磐城共立病院  消化器内科), 島田 憲宏(磐城共立病院  消化器内科), 土佐 正規(磐城共立病院  消化器内科), 上野 孝治(磐城共立病院  消化器内科), 池田 智久(磐城共立病院  消化器内科), 椎名 正明(磐城共立病院  消化器内科), 渡部 敬之(磐城共立病院  消化器内科)
抄録 【症例】57歳男性【既往歴】C型慢性肝炎【現病歴】平成24年4月9日、吐血にて近医を受診し、上部内視鏡検査(EGD)にて不整な潰瘍性病変を認め、出血の原因と考えられ入院。補液、PPI投与で状態改善したが生検で低分化腺癌との診断であり、4月17日精査加療目的に当科へ転院となった。EGDを再検したところ、胃体上部~噴門部小彎後壁に4型腫瘍を認め、生検はGroup5, por2でHER2陰性であった。CTでは他臓器転移は認めないものの、領域リンパ節に加えて16番リンパ節の腫脹があり、M因子陽性であり化学療法の適応と考えられ、S-1+CDDP療法を開始した。2コース終了後のEGDでは原発巣の縮小を認め、CTでも腫大リンパ節の縮小を認めた。その後S-1+CDDP療法を継続し、4コース施行後のEGDでは原発巣は縮小し瘢痕化しており、生検では腫瘍細胞は認めなかった。CTでも腫大リンパ節は更に縮小していた。経過中軽度の骨髄抑制・倦怠感を認めたものの、その他の有害事象は認めなかった。down stagingが得られたと考え、本人・外科と治療方針について相談し、10月17日胃全摘+D2郭清、膵体尾部合併切除、脾摘、予防的胆摘術を行った。病理結果はU, Post-Less, pType3, 5×2×0mm, Poorly differentiated adenocarcinoma(por2), schirrhous, INFb, SM2, ly0, v0, PM(-), DM(-), UL-IVで、リンパ節に関しては11pに癌細胞の残存を認めたのみであった(T1b(SM)N1M0, pStage IB)。術後経過は良好で、現在S-1内服による術後化学療法を行なっている。【結論】S-1+CDDPが奏功し、治癒切除が可能となった高度リンパ節転移を伴う進行胃癌の一例を経験した。若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 進行胃癌, 化学療法後治癒切除可能