セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-58:急性肝不全で発症したWilson病の1例 |
演者 | 亀井 將人(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野) |
共同演者 | 佐原 圭(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 小豆嶋 立頼(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 水谷 友美(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 小坂 崇(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 宮本 康弘(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 小穴 修平(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 滝川 康裕(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野), 鈴木 一幸(岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野) |
抄録 | 急性肝不全で発症したWilson病の1例 岩手医科大学 内科学講座 消化器肝臓内科分野亀井將人 小豆嶋立頼 宮本康弘 佐原圭 小穴修平 滝川康裕 鈴木一幸症例 23歳女性 主訴 全身倦怠感,嘔吐既往歴 出生時 心房中隔欠損、水腎症、精神発育遅滞 鉄欠乏性貧血家族歴 肝疾患なし,その他特記事項なし現病歴 H24年8月10日頃より全身倦怠感と嘔吐あり。8月17日に近医受診したところ、血液検査で肝障害および黄疸を指摘された.近医外来にて8日間経過をみたが改善なく、黄疸の悪化を認めたため8月24日前医紹介受診。前医での採血でさらに黄疸の悪化,凝固能の低下認め、急性肝不全疑われ同日当科紹介、入院となった。入院時意識清明で肝腫大あり、T-Bil 29.3 mg/dL、D-Bil 22.0 mg/dL 、AST 166 IU/L、ALT 128 IU/L、PT-INR 2.71、PT% 27.7%認め急性肝不全の診断となった。病歴、血清学的検査より薬物性肝障害、ウイルス性肝障害、自己免疫性肝障害は否定的であった。セルロプラスミン14 mg/dL、血清銅 52 mg/dLと低下、尿中銅は1日量496.9 μg/dLと増加、角膜にKayser-Fleisher Ringも認められ,Wilson病と診断。銅キレート剤であるD-ペニシラミン1000mg/dayの内服を開始とした。内服開始後より徐々に黄疸と肝障害の改善を認めたが、副作用として無顆粒球症発症あり、銅キレート剤をトリエンチン125mg/日に変更、酢酸亜鉛水和物15mg/日、低銅含有食を併用し治療。その後は経過改善を認め入院82日後に退院となった。退院後は外来通院のうえで慎重に経過観察していくこととなった。今回、肝組織所見、肝組織内銅含有量、家族歴検査所見と併せて報告する。 |
索引用語 | Wilson病, 急性肝不全 |