セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-64:術前診断に苦慮した肝細胞癌合併細胆管細胞癌の一例 |
演者 | 宮下 祐介(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター) |
共同演者 | 石橋 潤一(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 二瓶 公佑(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 西条 勇哉(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 中條 恵一郎(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 奥薗 徹(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 濱本 英剛(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 水野 浩志(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 高橋 佳之(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 羽根田 晃(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 佐藤 俊(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 高林 広明(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 三宅 直人(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 三島 利之(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 松田 知己(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 中堀 昌人(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 赤平 純一(同 病理診断・臨床検査科), 笠井 明大(同 消化器外科), 石山 秀一(同 消化器外科), 鈴木 勃志(佐藤病院), 長南 明道(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター) |
抄録 | 症例は59歳男性。慢性B型肝炎の診断にて以前から他院で治療中であった。平成24年春頃からAFPの漸増傾向を認めたため、CT,MRIにて肝右葉に結節性病変を指摘され、精査加療目的で当科紹介、入院となった。入院後に施行したUSではS7背側に約3cm超の内部がモザイク状の結節と、そのやや腹側かつ頭側寄りに10mm大の低エコー結節を認めた。ソナゾイドによる造影では、いずれも動脈相で染影され、後期相でwash outされた。またkupffer相ではいずれの結節もバブルの取り込みを認めず、肝細胞癌が疑われた。前医で施行されたMRIの肝細胞造影相ではいずれの結節ともEOBの取り込みは見られず、入院後に施行した動注CTでもCTHAで濃染され、CTAPでperfusion defectとして描出される、肝細胞癌に矛盾しない所見であった。特に10mm大の結節はより高度に濃染され、辺縁性状がやや凹凸不整であることから、中分化からより低分化の癌が疑われた。いずれの結節も同一区域内に存在し、背景肝の予備能も良好であることから肝切除術が選択され、当院消化器外科にて10月15日S7部分切除術が施行された。摘出標本の病病理学的検索では、S7背側の病変は単純結節型で、肝細胞類似の異型細胞が大小の索状構造をとりながら増生しており、、中分化相当の肝細胞癌の像と考えられた。一方、腹側の10mm大の結節では、N/C比大で小型の異型細胞が、癒合腺管状ないし一部充実性の構造をとって増生していた。免疫組織学的には前者はHep1陽性、CK7,CK19陰性で肝細胞癌に合致する所見であった。また後者についてはHep1陰性、CK7陽性、CK19陰性であり、肝内胆管癌に矛盾しない所見であったが、HE染色での組織所見上は細胆管細胞癌も否定できない所見であった。術前の造影所見ならびに病理組織像を含め、非常に示唆に富む症例と考え報告した。 |
索引用語 | 肝, 腫瘍 |