セッション情報 一般演題

タイトル O-72:

膵管胆管合流異常を伴った胆嚢腺扁平上皮癌の一例

演者 高橋 佳之(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター)
共同演者 石橋 潤一(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 石山 秀一(仙台厚生病院 消化器外科), 遠藤 希之(仙台厚生病院 病理診断・臨床検査科), 青木 隼人(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 二瓶 公佑(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 橋本 林太朗(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 西条 勇哉(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 中條 恵一郎(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 奥薗 徹(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 濱本 英剛(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 宮下 祐介(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 水野 浩志(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 羽根田 晃(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 佐藤 俊(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 高林 広明(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 三宅 直人(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 三島 利之(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 松田 知己(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 中堀 昌人(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター), 長南 明道(仙台厚生病院 消化器内視鏡センター)
抄録 症例は52歳女性。前医で十二指腸潰瘍の診断にて抗潰瘍剤の投与を受けていたが、症状の改善が見られないため腹部エコーを施行。肝門部に5cm大の腫瘤性病変を指摘されたため、精査加療目的で当科紹介、入院となった。入院後に施行したCTでは、胆嚢底部に造影効果を伴う結節状の腫瘤を認めた。また門脈本幹の尾側に約5x4cm大の境界不明瞭な低造影効果の腫瘤と、胆嚢頚部左側にも同様の性状を示す2cm大の腫瘤が認められ、リンパ節転移が疑われた。固有肝動脈から右肝動脈にかけてencasementの所見を認め、門脈本幹も転移リンパ節との境界が不明瞭で浸潤が疑われた。EUSでは、胆嚢底部に病巣内深部低エコー像を伴う結節状の腫瘤を認め、漿膜下層以深への浸潤が疑われた。また主膵管は総胆管と膵内で合流しており、膵管胆管合流異常症の併存が疑われた。ERCPでは、新古味分類IIa型で胆管非拡張型の膵管胆管合流異常の所見を認め、胆嚢底部に辺縁不整な陰影欠損像が見られた。PET-CTでは胆嚢底部と肝門部に非常に高いFDG集積を示す腫瘤を認め、胆嚢癌のリンパ節転移と診断された。膵管胆管合流異常を伴う胆嚢癌の診断で平成24年5月11日門脈合併切除を伴う肝右葉膵頭十二指腸切除術が施行された。胆嚢内の腫瘍は病理学的にadenosquamous/squamous carcinomaとtrophoblast様の形態を示すbizarre giant cellを混じた中~低分化型adenocarcinomaの2つの成分から構成されており、後者の腫瘍はhCG染色にて少数ながら明瞭な陽性細胞を認め、一部にchoriocarcinoma様の分化を示しているものと推定された。今回膵管胆管合流異常を伴う胆嚢癌で、病理像が腺扁平上皮癌と比較的稀な症例を経験したので、若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 胆嚢腺扁平上皮癌, 膵管胆管合流異常