セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-90:膵oncocytic type IPMNの1切除例 |
演者 | 渡邊 崇(岩手県立中部病院 消化器内科) |
共同演者 | 千葉 宏文(岩手県立中部病院 消化器内科), 伊藤 洋信(岩手県立中部病院 消化器内科), 高橋 秀一郎(岩手県立中部病院 消化器内科), 三上 恵美子(岩手県立中部病院 消化器内科), 佐野 俊和(岩手県立中部病院 消化器内科), 三浦 達也(岩手県立中部病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】71歳、女性。【既往歴】1995年に左乳癌で手術。【現病歴】左乳癌術後から当院外科に定期通院していたが、2010年3月のCTで膵頭部嚢胞と主膵管拡張が指摘された。その後6カ月ごとに画像検査でフォローされていたが2012年5月のCTで膵嚢胞の増大を指摘され精査目的に当科入院となった。【経過】血液検査では腫瘍マーカーは正常値であった。腹部CTでは膵頭部に3cm大の多嚢胞性腫瘤およびその内部に造影効果のある隆起性病変を認めた。腹部MRIでは膵頭部にT2強調画像で高信号域を呈する嚢胞性病変を認め、内部に低信号を示す乳頭状増殖を認めた。EUSでは10mmを越える結節を内部に含有する多房性嚢胞性腫瘍を認めた。結節の一部は主膵管に進展しているものと考えられた。ERPでは嚢胞性病変は拡張した主膵管と交通しており、嚢胞内に陰影欠損像を認めた。内視鏡上乳頭の開大と粘液の流出も認められた。IDUSではEUSと同様に嚢胞内部から主膵管に進展する結節の存在を確認した。膵液細胞診や生検では悪性所見は認められなかったが、画像所見からIPMCを考え、十分なICのうえ2012年7月に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。切除標本の肉眼所見では膵頭部に多房性嚢胞が認められた。嚢胞内の隆起性病変は拡張した主膵管内に一部進展していた。病理組織学的所見では、嚢胞状に拡張した分枝膵管内から主膵管にかけて乳頭状、腺管状構造を呈しながら増殖する腫瘍を認めた。腫瘍細胞は豊富な好酸性胞体を有し、形態からoncocytic type IPMNと考えられた。腫瘍細胞は膵管腔を充満するように進展していたが、一部に微小浸潤成分(tub1+muc)を認めた。免疫染色にて腫瘍細胞はMUC1陰性、MUC2陰性、MUC5AC陽性、MUC6陽性であった。全体としてはIntraductal papillary mucinous carcinoma, invasiveと診断された。【考察】oncocytic typeは頻度の低いサブタイプであり組織像は非常に特徴的で、強い好酸性細胞質を持つ腫瘍細胞の樹枝状の乳頭状増殖からなるとされている。今回我々は膵oncocytic type IPMN の1切例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | IPMN, oncocytic type |