セッション情報 一般演題

タイトル O-31:

胃癌に対して幽門側胃切除、Billroth-II法再建術施行6年後に吻合部潰瘍穿孔を発症した1例

演者 廣澤 貴志(みやぎ県南中核病院 外科)
共同演者 赤田 昌紀(みやぎ県南中核病院 外科), 高橋 道長(みやぎ県南中核病院 外科), 後藤 慎二(みやぎ県南中核病院 外科), 上野 達也(みやぎ県南中核病院 外科), 佐藤 俊(みやぎ県南中核病院 外科), 有明 恭平(みやぎ県南中核病院 外科), 前田 晋平(みやぎ県南中核病院 外科), 片平 真人(みやぎ県南中核病院 外科), 内藤 広郎(みやぎ県南中核病院 外科)
抄録 症例は80歳男性。既往歴として6年前に胃癌にて幽門側胃切除術、Billroth-II法・Braun吻合再建をうけた。その後腸閉塞を繰り返し、保存的治療を複数回うけていた。3年前に小腸部分切除術、9ヵ月前に癒着剥離術をうけている。今回起床後より突然腹痛が出現したため救急要請。来院時身体所見は、腹部は全体的に板状硬で反跳痛が認められた。造影CTにて腹腔内free airと腹水貯留を、吻合部周囲の空腸に壁肥厚・浮腫を指摘され、消化管穿孔が疑われた。同日緊急手術を行ったところ、開腹所見では胃空腸吻合部直下の空腸に直径5mm程の穿孔部を認め、同部より腹腔内へ腸液、胆汁が流出していた。腹腔ドレナージ・大網充填術を施行した。術後経過は順調であり、第8病日に施行した上部内視鏡検査では、充填した大網の他には吻合部の狭窄や腫瘍性病変などはみられず第16病日にて退院した。血清ガストリン値は30pg/mlと正常でヘリコバクターピロリ抗体も検出されなかった。術後2年後の上部内視鏡検査で吻合部の空腸側に潰瘍を指摘されその後ラフチジン処方となっていたがその後の複数回の腸閉塞での入院歴により処方が中断されていた。今回我々は、胃癌術後の吻合部潰瘍穿孔という比較的稀な症例を経験したため若干の文献的考察を踏まえて検討する。
索引用語 吻合部潰瘍, 穿孔