セッション情報 一般演題

タイトル O-02:

食道癌肉腫の1例

演者 太田 理恵(三沢市立三沢病院 内科)
共同演者 鈴木 一広(三沢市立三沢病院 内科), 西崎 公貴(三沢市立三沢病院 内科), 津谷 亮佑(三沢市立三沢病院 内科), 對馬 清人(三沢市立三沢病院 内科), 斎藤 聡(三沢市立三沢病院 内科), 坂田 優(三沢市立三沢病院 内科)
抄録 症例は67歳、男性。嚥下困難及び体重減少を主訴に初診となった。上部消化管内視鏡検査にて、胸部上部~中部食道にかけて1型腫瘍を認めた。胃透視にて同部位に約13cmの隆起性病変あり、CT画像と合わせMtUt cT3 cN1 cM0 cStageIIIの食道癌として精査を行う方針となった。腫瘍部より2度組織生検を行ったが、壊死組織、Atypical cellの診断で組織確定には至らなかった。2度目の生検後、腫瘍からの出血性ショックをきたし、IVRで肋間動脈を塞栓し一時止血された。翌日より再度出血をきたし、出血コントロール不良のため他院へ転院搬送となった。その後、待機的に右開胸開腹食道亜全摘、3領域郭清、胸骨前経路胃管再建術が施行された。手術所見では、食道Mt-Utに約10cm長の軟な腫瘤が認められ、右気管支動脈、右迷走神経への浸潤、No.106rec-Lへの転移が疑われた。切除標本病理組織では、肉腫様成分と扁平上皮癌成分が観察され、ビメンチン陽性でありcarcinosarcomaの診断であった。食道癌肉腫、pT4、pN3、M0、StageIVaの診断で、術後化学療法としてIEC療法(CBDCA 125mg/m2, EPI 30mg/m2, IFM750mg/m2)を導入したが、導入直後のCTにて縦隔再発、左肺転移、右胸膜播種を認めた。IEC療法2コース目施行後もPDであり、気管の腫瘍性閉塞による左無気肺、右下肺無気肺から呼吸不全をきたし、術後3ヵ月で永眠された。今回、比較的まれな食道癌肉腫の1例を経験したため、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道癌肉腫, 肉腫