セッション情報 シンポジウム 「胃癌2013 -検診・診断・治療のup to date-」

タイトル S-04:

当センターにおける胃癌治療の検討

演者 野口 哲也(宮城県立がんセンター 消化器科)
共同演者 及川 智幸(宮城県立がんセンター 消化器科), 内海 潔(宮城県立がんセンター 消化器科), 相澤 宏樹(宮城県立がんセンター 消化器科), 鈴木 雅貴(宮城県立がんセンター 消化器科), 虻江 誠(宮城県立がんセンター 消化器科), 塚本 啓祐(宮城県立がんセンター 消化器科), 鈴木 真一(宮城県立がんセンター 消化器科), 小野寺 博義(宮城県立がんセンター 消化器科)
抄録 【はじめに】当センターは癌専門病院である特性上、診断から治療において、消化器科、消化器外科、腫瘍内科、そして、緩和医療科とそれぞれの専門医が担っている。また、その病院の特殊性から、紹介患者が多く、特に検診関連の症例も多くみられる。今回、診断から治療に至る胃癌症例8年間の推移について、検討した。【対象、方法】対象は、平成17年から平成24年までの8年間において、当センターを受診された胃癌患者1662例について、がん登録システムをもとに検討した。【結果】胃癌患者1662例中、検診を契機に受診された検診群は631例、男性470名、女性161名、平均年齢67歳、検診以外の契機で受診された外来群は1031例、男性721名、女性310名、平均年齢71歳であった。検診群・外来群における各進行度別の頻度は、検診群・外来群:cStageIA.B 84% ・51%、cStageIIA.B  6%・6%、cStageIIIA.B.C.  4%・6%、cStageIV  5%・30%、cStageX 1%・7%であった。検診群が 年齢が若く、cStageも早期の症例が多く見られた。治療方法別の検討では、内視鏡治療症例28%、外科切除症例42%、化学療法症例13%、放射線治療1%、緩和医療ほか16%であった。当センターでは、緩和医療科、ホスピス病棟を有しており、ターミナルケアの紹介患者も多く受け入れていた。これらのうち、内視鏡治療症例、外科切除症例、化学療法症例に絞ると、毎年、150-180症例の治療を行っており、増加傾向を認めた。検診及び外来群の割合は毎年約40%が検診からの発見症例であった。各治療別の推移では、平成24年には、内視鏡治療症例が全体の47%と増加し,検診発見症例のうち、53%が内視鏡治療を行っていた。【考察】胃癌診断から緩和医療に至る専門的な治療が可能となっていた。近年の内視鏡診断、治療の進歩により、内視鏡治療症例が増加している。胃がん検診により、早期癌の症例が多く発見され、今後、さらに内視鏡治療適応の拡大に伴い、治療件数が増加すると思われた。
索引用語 胃癌, 治療