セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
O-52:膵動静脈奇形(AVM)に対し塞栓術を施行し症状改善を得た1例
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演者 |
立田 哲也(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学) |
共同演者 |
遠藤 哲(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学), 渡邉 清誉(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学), 蓮井 桂介(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学), 澤田 直也(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学), 三上 健一郎(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学), 福田 眞作(弘前大学大学院 医学研究科 消化器血液内科学) |
抄録 |
【症例】50歳代、男性【主訴】腹部膨満感、腹痛【既往歴】昭和55年 胆嚢結石、平成23年 狭心症【現病歴】平成24年7月上記症状出現。近医CTにて膵尾部動静脈奇形(AVM)疑いの診断となりNSAIDs処方も症状改善せず8月27日当科紹介受診。PET-CTでは膵尾部への軽度集積を認めた。上部消化管内視鏡検査や大腸X線検査では背部痛の原因となりうる病変は認めず、内分泌腫瘍鑑別のため当院内分泌内科にて精査するも明らかな異常は認めなかった。疼痛コントロール目的に当院麻酔科入院、持続硬膜外麻酔開始となり腹痛はやや改善したが食事摂取困難もあり10月5日当科転科となった。【入院後経過】腹部CTでは膵尾部に動脈早期より拡張・蛇行した血管の描出を認めたが大きさは著変なく、膵酵素や腫瘍マーカーは正常範囲内であった。腹痛に対し硫酸モルヒネ投与も効果は乏しく、食事摂取困難でありTPN管理とした。狭心症の既往のため当院循環器内科にて心臓カテーテル検査施行し、LAD#6 90%、対角枝99%、LCX #13 慢性完全狭窄を認めた。今後の治療を総合的に考え、先にPCI施行の方針となり10月17日LADの病変に対しPCI施行し、ベアメタルステントを留置。アスピリン、クロピドグレル内服を開始した。10月22日膵AVMに対し塞栓術を施行。術後腹痛は改善傾向となり、CTでは膵の屈曲・蛇行した脈管描出は著明に減少していた。食事再開とともに下痢が出現し膵外分泌機能不全を考え、消化酵素複合剤内服開始。11月初旬より徐々に食事摂取量は増加していったが、PFD 10%であり下痢も続いていたことから11月2日よりパンクレリパーゼを追加し、下痢・腹痛は改善した。硫酸モルヒネも漸減中止としたが症状再発は認めず、11月12日退院。【考察】膵AVMは極めて稀な疾患である。保存的に経過観察し、症状がコントロール困難な症例は手術が行われてきたが、塞栓術も選択肢の一つになりうると考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
膵動静脈奇形, 塞栓術 |