セッション情報 特別企画 初期研修医(卒後2年迄)

タイトル W-07:

血便を契機に発見されたCowden病の一例

演者 齋藤 慶太(山形大学 医学部 第二内科)
共同演者 野村 栄樹(山形大学 医学部 第二内科), 渋谷 りか(山形大学 医学部 第二内科), 作田 和裕(山形大学 医学部 第二内科), 八木 周(山形大学 医学部 第二内科), 岩野 大輔(山形大学 医学部 第二内科), 吉澤 和哉(山形大学 医学部 第二内科), 佐々木 悠(山形大学 医学部 第二内科), 佐藤 剛司(山形大学 医学部 第二内科), 阿部 靖彦(山形大学 医学部 第二内科), 西瀬 祥一(山形大学 医学部 第二内科), 小野寺 基之(山形市立病院済生館 消化器内科), 上野 義之(山形大学 医学部 第二内科)
抄録 【はじめに】Cowden病は多発性過誤腫症候群ともいわれ、皮膚粘膜の多発性小丘疹・消化管ポリポーシス・全身諸臓器に合併する腫瘍性病変を特徴とする遺伝性疾患である。有病率は約20万人に1人と稀で、常染色体優性遺伝形式をとるが、孤発例の報告が多い。今回我々は、血便を契機に発見されたCowden病の一例を経験したので報告する。【症例】46歳男性【既往歴】32歳痔核、46歳扁桃腺肥大手術【家族歴】特記事項なし【現病歴】30歳代後半より年に数回排便時出血を認めていたが、放置していた。2012年9月扁桃腺摘出術のため前医耳鼻科入院、血便を認め消化器内科にて大腸内視鏡検査を施行、病変を指摘され精査目的に12月当科紹介受診となる。【来院時現症】身長169cm、体重98kg。顔面に粟粒大結節、口腔と下顎歯肉に白色小丘疹を認めた。両側腋窩に疣状小隆起の多発を認めた。【血液生化学所見】貧血なし、炎症反応上昇なし、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)は正常範囲内。【臨床経過】当科で施行した大腸内視鏡検査では、左側結腸を中心に過形成性ポリープの多発がみられ、特に直腸Rbで顕著だった。上部内視鏡検査では、口腔から咽頭まで乳頭状隆起が多発、食道には白色扁平隆起が多発しヨードで黒染を示した。胃は前庭部中心に2-3mm大の光沢のあるポリープが多発していた。カプセル内視鏡検査では空腸を中心に上部小腸に小隆起の散在を認めた。生検の結果、食道隆起はglycogenic acanthosis、胃ポリープは炎症細胞浸潤、大腸ポリープは過形成性変化の所見であった。消化管の非腫瘍性ポリポーシスと特徴的な皮膚所見よりCowden病と診断した。全身諸検査を行い、他臓器に腫瘍性病変の合併を認めなかった。【結語】Cowden病は稀な疾患ではあるが、特徴的な食道の多発白色扁平隆起が他疾患との鑑別に重要である。本症例は下部直腸病変からの出血を契機に、全身スクリーニングを行い診断された。現時点で家族内発症は認めていないが、慎重な追跡調査が必要である。本症は甲状腺、乳腺、腎臓などに悪性腫瘍を合併する頻度が高く、早期発見のために定期的なcancer surveillanceが重要である。
索引用語 Cowden病, 多発食道扁平隆起