セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-27:Infliximab投与後に特発性血小板減少性紫斑病を発症した2例 |
演者 | 小野寺 基之(東北大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 黒羽 正剛(東北大学病院 消化器内科), 日下 順(東北大学病院 消化器内科), 内藤 健夫(東北大学病院 消化器内科), 川上 瑤子(東北大学病院 消化器内科), 只野 敏弘(東北大学病院 消化器内科), 奈良 志博(東北大学病院 消化器内科), 平本 圭一郎(東北大学病院 消化器内科), 松下 勝則(東北大学病院 消化器内科), 宮澤 輝子(東北大学病院 消化器内科), 下平 陽介(東北大学病院 消化器内科), 志賀 永嗣(東北大学病院 消化器内科), 遠藤 克哉(東北大学病院 消化器内科), 木内 喜孝(東北大学高等教育開発推進センター), 下瀬川 徹(東北大学病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例1】21歳、女性。【現病歴】平成19年発症の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)。平成22年4月に再燃し、ステロイド依存性のためtacrolimusにて寛解導入された。Azathioprine (AZA)が導入されたが副作用(嘔気)のため中止となっていた。平成22年7月に再燃し、8月よりinfliximab(IFX)が投与され臨床的寛解となるが徐々に血小板が減少。11月初旬には血小板数4.5万/μlまで低下し、入院となった。PAIgGが高値、骨髄穿刺では正形成骨髄、各血球には異型細胞は認められず、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断した。ITPの原因としてIFXの関与が疑われ中止とした。血小板輸血、ステロイド療法を施行したが効果は一次的なものであり、平成23年2月に腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した。術後、血小板は正常化し退院となった。その後、平成23年7月にUCが再燃し再入院となった。各種内科治療抵抗性のため大腸亜全摘術、直腸粘液瘻、回腸人工肛門造設術を施行。術後経過は良好であり、現在外来通院中である。【症例2】36歳、男性。【現病歴】平成17年発症の小腸大腸型のクローン病。栄養療法にて寛解維持されていた。平成20年7月にIFX が導入され臨床的寛解を得られていたが、排便回数が増加したため、平成23年11月よりIFX倍量投与となった。IFX倍量投与約1年後(平成24年11月)の外来受診時に血小板数2.1万/μlまで低下し、精査加療目的に入院となった。なお、経過中AZAも併用されたが、白血球数1500/μl、血小板数12.7万/μlまで低下したため中止となっている(中止後、白血球数、血小板数ともに改善)。PAIgGが高値、骨髄穿刺では正形成骨髄、各血球には異型細胞なく、やや巨核球数が目立ちITPの診断となった。IFXの関与が疑われ中止とし、血小板輸血、ステロイド療法を開始。その後徐々に血小板数は増加し、現在は外来にてステロイド漸減、栄養療法を行いながら通院中である。【結語】炎症性腸疾患に対してIFX投与後にITPを発症した2例を経験したため、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | infliximab, 特発性血小板減少性紫斑病 |