セッション情報 | 特別企画 初期研修医(卒後2年迄) |
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タイトル | W-03:ソラフェニブPD後の肝細胞癌多発肺転移に対しrepeated one-shot CDDP気管支動注+肝動注療法が奏功した一例 |
演者 | 吉田 樹(秋田大学 消化器内科) |
共同演者 | 鎌田 健太郎(秋田大学 消化器内科), 後藤 隆(秋田大学 消化器内科), 三浦 光一(秋田大学 消化器内科), 大嶋 重敏(秋田大学 消化器内科), 佐藤 亘(秋田大学 消化器内科), 渋谷 友美(秋田大学 消化器内科), 道免 孝洋(秋田大学 消化器内科), 金田 遼(秋田大学 消化器内科), 酒井 利隆(秋田大学 消化器内科), 千葉 充(秋田大学 消化器内科), 藤原 純一(秋田大学 消化器内科), 杉本 侑孝(秋田大学 消化器内科), 高橋 健一(秋田大学 消化器内科), 石岡 充彬(秋田大学 消化器内科), 長谷川 樹(秋田大学 消化器内科), 大西 洋英(秋田大学 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】肝細胞癌の遠隔転移のうち肺転移は頻度が最多で予後不良とされている。今回我々はソラフェニブPD後の肝細胞癌多発肺転移症例に対しrepeated one-shot CDDP気管支動注+肝動注療法が奏功した一例を経験したので報告する。【症例】73歳 男性 【現病歴】1999年にC型肝硬変と診断。2003年1月に肝細胞癌を認め、肝動脈化学塞栓術(TACE)+経皮的エタノール注入療法(PEIT)施行。以後、再発に対しファルモルビシンによるTACEおよび経皮治療(ラジオ波焼灼療法およびPEIT)を繰り返していた。TACEを計10回施行した時点でTACE不応となり、2010年12月よりソラフェニブ800mgで開始。Grade2の手足症候群を認めたがPRが得られ、2011年5月からはSDとなっていた。しかし次第に腫瘍マーカーが上昇し、2012年4月にAFP 10884.9ng/ml、PIVKAII 1892mAU/mlまで上昇、CTにて肺両葉に多数の転移性腫瘍出現、肝細胞癌の増大傾向、中肝静脈への浸潤を認めた。【経過】ソラフェニブPDと判断し内服中止の上、同年4月9日にone-shot CDDP気管支動注+肝動注療法を施行。方法は左右肝動脈および左右気管支動脈に微粉末型CDDP製剤(IA-call(R))をそれぞれ25mg動注した。副作用や肝予備能の低下は認めなかった。初回治療後にはAFP 6162.9ng/ml、PIVKAII 178mAU/mlと低下し、2回施行後のCTにてPRが得られ、以後は6から8週毎に施行した。2013年5月までにone-shot CDDP気管支動注+肝動注療法を計8回施行しPRを維持し、AFP 27ng/ml、PIVKAII 27mAU/mlまで低下している。【考察】肝細胞癌治療アルゴリズムにおいて、肝外病変のあるchild A症例に対してはソラフェニブが推奨されているが、それ以外の治療法に関しての記載はなく今後の課題と考えられる。本例は肺転移症例に対してrepeated one-shot CDDP気管支動注が治療法となりうる可能性、およびソラフェニブPD後であっても追加治療を行う事で病勢を制御できる可能性を示唆しており貴重な症例と考えられた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 気管支動注療法 |