セッション情報 特別企画 初期研修医(卒後2年迄)

タイトル O-55:

膵全体の膵管内に進展したIPMN由来浸潤癌

演者 手塚 雄太(岩手県立中央病院 消化器内科)
共同演者 城戸 治(岩手県立中央病院 消化器内科), 阿部 康弘(岩手県立中央病院 消化器内科), 大方 英樹(岩手県立中央病院 消化器内科), 松本 信(岩手県立中央病院 内視鏡科), 横山 直信(岩手県立中央病院 消化器内科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院 消化器内科), 三浦 真奈美(岩手県立中央病院 内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 小原 範之(岩手県立中央病院 消化器内科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院 内視鏡科), 池端 敦(岩手県立中央病院 消化器内科)
抄録 【症例】70代女性【既往歴】高血圧、不眠症【喫煙歴】なし【飲酒歴】なし【現病歴】H24年12月上腹部違和感あり前医画像検査にてIPMCとして精査加療目的に紹介となる。【生化学検査】軽度貧血を認めた。肝機能障害認めず。膵関連酵素上昇認めず。腫瘍マーカー正常値内。糖代謝異常を認めた。PFD低値であった。【画像検査】CT、MRIでは膵全体にびまん性に小のう胞状病変が多発。主膵管のびまん性の拡張を認めた。膵体部に17mm大ののう胞状病変を認め内部に乳頭状結節を認めた。ERCPでは乳頭部は腫大し白濁した粘液流出を認めた。易出血性、組織脆弱でありカニュレーションはできなかった。【経過】膵頭部生検はadenomaであった。画像とりIPMN分枝型からの発癌+膵全体への浸潤として膵全摘の方針となる。【病理】膵全体の膵管内に腫瘍細胞を認めた。細胞異型は軽度であるが構造異型は高度であった。腫瘍は膵管内腔を這うように進展し複数個所で浸潤傾向を示した。Invasive ductal carcinoma.tubular adenocarcinoma,well differentiated intermediate type.INFβ,il1,ne1,mpd(+),pT4,pCH(+).pDU(+),pS(-),pRP(+),pPV(+),pA(-),pPL(-),poo(+),pBCM(-).pDPM(-) N17a(+) 【考察】IPMN由来浸潤癌が存在し、膵全体の膵管内に同程度の進行度の腫瘍が同時に存在しており、広範な膵管内進展をきたしたものと考えられた。MUC染色を追加して検討する予定である。稀な進展形式をきたした症例を報告する。
索引用語 IPMN, 膵菅内浸潤