セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-09:ESD症例からみた胃癌に対するABC検診の妥当性と問題点 |
演者 | 菊地 眸(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座) |
共同演者 | 引地 拓人(福島県立医科大学附属病院 内視鏡診療部), 渡辺 晃(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 高木 忠之(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 佐藤 匡記(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 杉本 充(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 藁谷 雄一(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 紺野 直紀(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 小原 勝敏(福島県立医科大学附属病院 内視鏡診療部), 大平 弘正(福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座) |
抄録 | 【目的】近年血清のH. pylori(HP)抗体価とペプシノゲン(PG)値を用いた検診(ABC検診)が, 胃癌のスクリーニング検査として有用であると提唱されている. そこで, 当院の胃ESD症例の血清のHP抗体価とPG値からABC検診の妥当性と問題点を検証した. 【方法】2012年11月から2013年3月までに, 当院でESDを施行し, 術前に血清のHP抗体価とPG値を測定した胃癌39例のうち, PPI服用例を除いた20例を対象とした.ABC検診に則り, A群(HP陰性, PG陰性), B群(HP陽性, PG陰性), C群(HP陽性, PG陽性), D群(HP陰性, PG陰性), E群(HP除菌例)に分類し, それぞれの割合とA群症例の特徴を検討した. なお, 血清HP抗体価は10 U/ml以上を陽性, PG値はPG I ≦70 ng/mlかつPG I/II比≦3を陽性と定義した. 【結果】平均年齢(±SD)は70.5±6.9歳であり, 性別は男性15例, 女性5例であった. 組織型は, 分化型19例, 未分化型1例であった. 各群の割合は, A群3例(15 %), B群1例(5 %), C群11例(55 %), D群3例(15 %), E群2例であった. A群のPG Iは30.5±10.8 ng/ml, PG I/II比は5.1±0.7であり, PG値陰性の判定を決定していたのはPG I/II比であった. 内視鏡所見では3例とも明らかな萎縮性胃炎を認め, 胃癌の組織型は全てtub1であった. 【結論】胃癌ESD症例の中にもA群が15 %であった原因として, HP除菌既往例の可能性が考えられた. したがって, 胃癌検診にABC検診を導入する際には, 除菌歴の問診と, 少なくとも一度は萎縮の判定のための内視鏡検査を施行することが望ましいと思われた. |
索引用語 | ペプシノゲン, ヘリコバクターピロリ菌 |