セッション情報 | 特別企画 後期研修医(卒後3-6年迄) |
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タイトル | O-17:術後3年生存が得られている同時性の多発肝転移/骨転移を認めたsm大腸癌の1例 |
演者 | 石居 健太郎(東北大学 肝胆膵外科) |
共同演者 | 林 洋毅(東北大学 肝胆膵外科), 坂田 直昭(東北大学 肝胆膵外科), 森川 孝則(東北大学 胃腸外科), 中川 圭(東北大学 肝胆膵外科), 岡田 恭穂(東北大学 肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学 肝胆膵外科), 元井 冬彦(東北大学 肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大学 胃腸外科), 片寄 友(東北大学 肝胆膵外科), 海野 倫明(東北大学大学院 医学系研究科 消化器外科学) |
抄録 | 早期大腸癌の同時性肝転移は稀であるが、同時性骨転移は更に稀である。また、多臓器転移を有する骨転移症例の予後は極めて不良とされている。今回我々は、巨大な肝転移巣より発見され、同時性骨転移を有するSM大腸癌の症例に対し治療を行い、術後3年生存が得られている症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 症例は57歳男性。発熱と右側腹部痛を主訴に近医を受診し、腹部CTにて最大径14cmの巨大肝腫瘍を指摘されたため肝内胆管癌の疑いで当院消化器内科を紹介受診した。精査にて横行結腸に直径約15mmで1s+2cのSM大腸癌を認め、肝には計6個の腫瘍を認めた。CTとMRIでは肝内胆管拡張を認めなかったため早期横行結腸癌の多発肝転移と診断した。術前化学療法(mFOLFOX6+bevacizumab 6コース)を施行し、 RECISTではSDであったが、腫瘍マーカーは著明に低下(CEA 27200→3770,CA19-9 23540→5810)した。拡大肝右葉切除・肝S4部分切除・横行結腸切除術を施行し、横行結腸に9×9×5mmのsm癌を認め、リンパ節転移を認めた(N1)。肝転移巣は最大で直径約13cmの腫瘍内部に広範な壊死を伴い、化学療法の効果判定ではgradeAであった。組織型も類似していたことから、横行結腸癌の多発肝転移と診断された。術後9ヶ月で腰椎L4に骨転移再発を来したが、放射線化学療法を行ない、画像上CRが得られている。振り返って確認すると、肝切除時のMRIに小さな骨転移病変が確認され、同時性の骨転移であることが判明した。術後1年6か月で再発肝転移を認め、肝部分切除を施行した。その後に多発肺転移が確認されたが、現在も外来化学療法の継続によりSDを維持し、術後38ヶ月(発見後40ヶ月)を経過して生存中である。 |
索引用語 | 早期大腸癌, 骨転移 |