セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-64:当科における閉鎖孔ヘルニアの現状と治療戦略 |
演者 | 長谷川 繁生(公立置賜総合病院 外科) |
共同演者 | 小澤 孝一郎(公立置賜総合病院 外科), 東 敬之(公立置賜総合病院 外科), 水谷 雅臣(公立置賜総合病院 外科), 森谷 敏幸(公立置賜総合病院 外科), 神尾 幸則(公立置賜総合病院 外科), 横山 森良(公立置賜総合病院 外科), 薄場 修(公立置賜総合病院 外科) |
抄録 | (はじめに)閉鎖孔ヘルニアは、痩せ形の高齢女性に多いと言われており、その診断は困難なことがあり、治療は確立されたものはない。(目的)今回我々は、過去4年間に経験した閉鎖孔ヘルニア21例について、retrospectiveに検討し、今後の治療方針を決定することを目的とした。(対象及び方法)2009年5月から2013年5月までの4年間に当科で経験した閉鎖孔ヘルニア21例を対象とした(再発1例含む)。用手還納などで保存的治療を行った症例を3例に認めたが、最終的には、全例手術を施行した。これらの症例について、腸管切除を行った群(腸切群:n=11)と腸管非切除群(非切群:n=10)に分けて検討した。(成績)平均年齢は腸切群 85.5歳、非切群 86.0歳で有意差無く、発症から来院までの日数が、腸切群 3.5日、非切群 0.9日で腸切群が有意に長かった。来院から手術までは、両群間に有意差は無かった。また、発症から来院までの日数が0日では、腸切除例はなく、1日経過後で50%、2日経過後で100%の腸切除を行っていた。在院死亡を2例に経験したが、何れも腸切群であった。閉鎖孔に対する手術術式については、メッシュを用いたアプローチが腸切群で80%、非切群で100%だった。対側の閉鎖孔へのアプローチは、腸切群で70%、非切群で50%であった。(結語)過去4年間に当科で経験した閉鎖孔ヘルニア21例について検討した。発症当日に来院した症例については、用手還納での保存的治療も考慮しうると思われた。しかし、1日以上の経過例は、用手還納に対して、慎重に対応すべきと思われた。また、手術術式については、開腹手術で腸管へのアプローチを行い、その結果で、閉鎖孔へのアプローチを決めることが重要であると思われた。 |
索引用語 | 閉鎖孔ヘルニア, 手術 |