セッション情報 シンポジウム 「胃癌2013 -検診・診断・治療のup to date-」

タイトル S-15:

東北大学病院における完全鏡視下胃切除・体腔内吻合の導入

演者 田中 直樹(東北大学病院 胃腸外科)
共同演者 武者 宏昭(東北大学病院 胃腸外科), 内藤 剛(東北大学病院 胃腸外科DELIMITER東北大学病院 肝胆膵外科), 森川 孝則(東北大学病院 胃腸外科DELIMITER東北大学病院 肝胆膵外科), 阿部 友哉(東北大学病院 胃腸外科), 長尾 宗紀(東北大学病院 胃腸外科), 羽根田 祥(東北大学病院 胃腸外科), 大沼 忍(東北大学病院 胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学病院 胃腸外科), 工藤 克昌(東北大学病院 胃腸外科), 神山 篤史(東北大学病院 胃腸外科), 青木 豪(東北大学病院 胃腸外科DELIMITER東北大学病院 肝胆膵外科), 唐澤 秀明(東北大学病院 胃腸外科), 元井 冬彦(東北大学病院 肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学病院 肝胆膵外科), 乙供 茂(東北大学病院 肝胆膵外科), 片寄 友(東北大学病院 胃腸外科), 柴田 近(東北大学病院 胃腸外科), 海野 倫明(東北大学病院 肝胆膵外科)
抄録 教室では腹腔鏡手術に力を入れており、今年度からは内視鏡外科学会技術認定医3名を含む体制となった。胃癌領域では2007年から本格的に腹腔鏡補助下胃切除を導入し、症例数は年間40例程度で推移してきた。今回、胃癌を専門とする技術認定医を招聘したことを契機に、腹腔鏡手術の適応をMPN1(胃癌取り扱い規約第13版)まで拡大するとともに、完全鏡視下胃切除・体腔内吻合を導入した。幽門側胃切除術はデルタ吻合、胃全摘ではオーバーラップ法で再建を施行している。体腔内吻合のメリットは、1,良好な視野を共有できること、2,創痛が少なく、整容性に優れること、3,小開腹・閉創操作が無いため手術時間が短縮されることなどが挙げられる。一方で安全な再建操作には高度な技術を求められ、特に術者と助手との協調運動が重要である。教室では、スムーズな導入のために、チームメンバーを固定したうえで、ビデオ勉強会を定期的に開催し、共通用語を使用するなど、イメージを共有して手術に臨めるよう工夫をしている。術式の安定は安全な手術をもたらす。結果として、手術症例数の増加や技術認定医を多数輩出することにつながることを期待している。これまでに腹腔鏡下胃全摘2例および幽門側胃切除5例を施行したが問題となる合併症は経験していない。現時点ではラーニングカーブの途上にあると思われるが、特に再建に関するfeasibilityについて検討して報告する。
索引用語 胃癌, 腹腔鏡手術