セッション情報 | 特別企画 初期研修医(卒後2年迄) |
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タイトル | O-41:レドニゾロン投与後に発症したde novoB型肝炎に対して、ペグインターフェロンα‐2a、エンテカビル、アデフォビル併用治療が奏功した1例 |
演者 | 長谷川 樹(秋田大学 消化器内科) |
共同演者 | 佐藤 亘(秋田大学 消化器内科), 後藤 隆(秋田大学 消化器内科), 三浦 光一(秋田大学 消化器内科), 大嶋 重敏(秋田大学 消化器内科), 澁谷 友美(秋田大学 消化器内科), 道免 孝洋(秋田大学 消化器内科), 鎌田 健太郎(秋田大学 消化器内科), 金田 遼(秋田大学 消化器内科), 酒井 利隆(秋田大学 消化器内科), 千葉 充(秋田大学 消化器内科), 藤原 純一(秋田大学 消化器内科), 杉本 侑孝(秋田大学 消化器内科), 高橋 健一(秋田大学 消化器内科), 石岡 充彬(秋田大学 消化器内科), 吉田 樹(秋田大学 消化器内科), 大西 洋英(秋田大学 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】厚生労働省研究班により、免疫抑制剤や化学療法を受けた場合に、HBV再活性化による重症肝炎が発生する危険性があることが指摘され、その対策としてガイドラインが示されている。われわれは、HBV再活性化にともなうde novoB型肝炎に対してペグインターフェロン(Peg-IFN)α-2a、エンテカビル(ETV)、アデフォビル(ADV)併用治療が奏功した1例を経験したので報告する。【症例】71歳男性。【既往歴】間質性肺炎、糖尿病、高血圧【現病歴】間質性肺炎の診断で当院呼吸器内科にてH23年3月からプレドニゾロン(PSL)の内服を60mgより開始。以降徐々に漸減し、H24年11月に終了。12月4日、右肺葉の浸潤影の増強、胸水貯留あり、肺腺癌疑いのため精査加療目的に呼吸器内科に入院した。入院時の血液検査でAST 631IU/l, ALT 244IU/lと肝障害を認め、12月5日当科紹介。H23年3月に陰性であったHBsAgの陽転化を認めたため、HBV再活性化に伴う肝障害と診断。同日からETV0.5mg/日で服用開始した。HBV-DNAは7.7logcopy/mlであった。その後、肝障害はAST 990IU/l, ALT 453IU/lと遷延し、改善傾向なく徐々にT.bilの増悪も認めたため、IFN投与による間質性肺炎の増悪のリスクを患者へ説明し、12月10日からPeg-IFN α-2a 180μgの週1回投与を開始した。2回投与終了時点で肝障害はピークをうっていたものの遷延し、T.bil 10.6mg/dlと黄疸の悪化あり、12月26日からADV10mg/日で開始。血小板減少症を併発したため、Peg-IFN α2aは4回投与で終了した。以降、徐々に肝障害、黄疸の改善も認め、2月12日には、肝障害、黄疸の正常化、HBV-DNAは検出感度以下を確認し、ADV投与を終了した。ETVは再度間質性肺炎の増悪あり、4月4日に永眠されるまで継続していたが、肝障害の再燃やHBV再陽転化は認めなかった。【結語】PSL服用終了後に発症したde novoB型肝炎を経験した。診断時にはHBV-DNA量も多く。ETV投与にても速やかな改善がえられない場合はIFN併用やADV追加など積極的な加療を試みるべきと考えられた。 |
索引用語 | denovo B型肝炎, インターフェロン |