セッション情報 一般演題

タイトル O-38:

60歳以上の高齢女性・C型慢性肝炎に対するPEGIFN/リバビリン(RBV)治療の検討:RBVをより多く投与するために

演者 三浦 雅人(みやぎ県南中核病院 消化器内科)
共同演者 高橋 貴一(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 油井 理恵子(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 玉川 空樹(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 洞口 愛(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 梅村 賢(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 飯岡 佳彦(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 大沼 勝(みやぎ県南中核病院 消化器内科), 藤坂 泰之(東北大学 消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するPEGIFN/RBV治療では高齢女性の著効率が低いと報告されている。その理由の一つとして高齢女性では副作用の貧血によりRBVを減量、中止せざるを得ない場合が多いことが挙げられる。そこで今回我々はRBVの総投与量を増やす目的でRBVの漸増投与を試みたので報告する。【対象と方法】2011年2月~2012年4月までに当科でPEGIFN/RBV治療を導入した60歳以上の女性・C型慢性肝炎13例(1型・高ウイルス量)を対象とした。これらの症例をA群(8例):PEGIFNα2a180μg+通常量のRBVで治療開始、B群(5例):PEGIFNα2a90μg+RBVは200mgで治療開始し4週毎に200mgずつ増量し最終的に600mgを維持量、の2群に分けて、1)治療期間、2)RBVの減量時期、3)RBVの総投与量、4)治療成績について検討した。なお、RBVの減量に関しては添付文書記載の基準に従って減量した。【結果】1)治療期間:A群では副作用などで8例中5例が途中で治療中止(6、14、16、24、36週)となり3例が48週完遂であった。B群では5例中1例(20週)が途中で治療中止となったが、2例で48週完遂、2例は現在72週に向けて投与継続中である。2)RBVの減量時期:A群では貧血のために全例4~9週の間に減量せざるを得なかったが、B群で24週以内に減量を必要としたのは5例中2例(12,16週)であった。3)RBVの総投与量:24週まで投与継続できた症例では平均でA群(5例)61600mg、B群(4例)89600mg、48週まで投与継続できた症例では平均でA群(3例)106867mg、B群(4例)156800mgといずれもB群で多く投与することが可能であった。5)治療成績:A群では8例中2例で著効となったが、その2例は24週までのRBV投与量がA群で最も多い78400mgであった。B群では5例中1例が著効、2例が投与継続中であり最終的な効果判定には至っていない。【まとめ】1)RBVの漸増投与では24週、48週のいずれの時点においても通常投与に比べRBVの総投与量が多かった。2)このRBVの総投与量の多いことが最終的な著効につながるがどうかは今後3剤併用療法の場合も含めてさらに検討が必要であると考えられた。
索引用語 C型慢性肝炎, リバビリン