セッション情報 一般演題

タイトル O-10:

胃瘻造設術の腹壁固定の有用性の検討

演者 辻 剛俊(市立秋田総合病院 消化器内科)
共同演者 吉田 達哉(市立秋田総合病院 消化器内科), 石井 元(市立秋田総合病院 消化器内科), 大野 秀雄(市立秋田総合病院 消化器内科), 津田 聡子(市立秋田総合病院 消化器内科), 中根 邦夫(市立秋田総合病院 消化器内科), 千葉 満郎(市立秋田総合病院 消化器内科), 小松 眞史(市立秋田総合病院 消化器内科)
抄録 【目的】胃瘻造設術は、安全に造設し、造設後に速やかに使用開始できることが目的を考えられる。胃瘻造設時の腹壁固定は、瘻孔の安定化をはかり安全性を高めるため有用とされている。腹壁固定の有無にて炎症の程度の変化があるのか、胃瘻造設時の前後の採血検査にて検討した。【対象】2007年1月から2012年12月の期間に当院で胃瘻造設し、胃瘻造設3日前から当日までの期間に前採血とし、造設の翌日にも採血した269症例を対象とした。なお、腹部の造設部位以外に炎症の原因がある症例を除外とした。【方法】腹壁固定なしpull法(A群:228例)、腹壁固定ありpull法(B群:4例)、腹壁固定ありintroducer変法(C群:45例)の3群に分け、造設前後でWBCとCRPを測定し検討した。【結果】対象の年齢は82±9歳であった。原疾患は、脳血管疾患44%、認知症25%、誤嚥性肺炎12%、悪性疾患10%、循環器疾患5%、その他5%であった。PEG関連死(造設後1ヶ月以内の死亡)は、A群8例(4%)、B群は0例(0%)、C群3例(7%)であった。原因は、C群はすべて悪性疾患によるもので、A群は、脳血管障害2例、肺炎6例であり、いずれの群にも腹膜炎が原因の症例はなかった。WBCの変化量は、A群3102±3267、B群1925±1333、C群1757±2402であり、A群とC群で有意差を認めた(P<0.01)。CRPの変化量(mg/dl)は、A群3.2±3.9、B群1.9±1.4、C群1.9±2.4であり、A群とC群で有意差を認めた(P<0.05)。【考察】腹壁固定ありintroducer変法では胃瘻造設後の肺炎の危険性は少なかった。腹壁固定をすることで炎症所見が抑えられ、瘻孔部が安定化し安全性が高まること考えられた。
索引用語 胃瘻, 腹壁固定