セッション情報 一般演題

タイトル O-37:

実臨床でのC型慢性肝炎テラプレビル3剤併用療法の治療成績(SVR12)

演者 木皿 典宏(宮城社会保険病院)
共同演者 佐々木 公美子(宮城社会保険病院), 石井 元康(宮城社会保険病院), 真野 浩(仙台医療センター), 小林 智夫(東北労災病院), 山川 暢(東北労災病院), 長崎 太(仙台市立病院), 山本 毅(東北薬科大学病院), 宮崎 豊(東北公済病院), 菅野 厚(仙台赤十字病院), 佐藤 俊裕(仙台赤十字病院), 赤羽 武弘(石巻赤十字病院), 蒲 比呂子(石巻赤十字病院), 安倍 修(JR仙台病院), 岡本 裕正(白河厚生総合病院), 三浦 雅人(みやぎ県南中核病院)
抄録 【目的】 平成23年11月よりプロテアーゼ阻害剤テラプレビル(TVR)が使用可能となり、1型高ウイルス量難治性C型肝炎の治療成績の向上が期待されている。TVR3剤併用療法の現時点での治療成績を明らかにし検討する。【方法】 当研究会参加施設で平成24年6月末までにTVR3剤併用療法を開始した全症例を対象とした。治療終了12週後のウイルス陰性化率(SVR12)を算出し、SVR12に関わる因子を検討した。 対象症例53例、性別 男:女=39:14、年齢33-69才(平均53.4才)、65才未満:65才以上=50:3、慢性肝炎:慢性肝炎線維化進行例(組織学的線維化進行例もしくは血小板数12万未満)=35:18、前治療歴 初回:再燃:無効=22:19:9(前治療成績不明3)、TVR開始量2250mg:1500mg=49:4(1500mgで開始した4症例中2例は体重50kg未満、1例は高齢、1例は副作用回避目的の減量開始)【結果】 治療中止例は7例でみられ治療中止率は13.2%(7/53)、中止理由は食欲不振3例、貧血1例その他であった。経時的なウイルス消失率は ; 4w陰性化率 90.6%(48/53), 8w陰性化率 98.0%(49/50), 12w陰性化率 97.9%(47/48), 24w終了時陰性化率 95.7%(44/46), SVR12 89.1%であった。また、中止7例を含む全症例でのSVR12は 86.6%(46/53)であった。前治療効果別にSVR12をみると、初回治療 90.9%(20/22), 前治療再燃100%(19/19), 前治療無効 44.4%(4/9), 前治療効果不明 100%(3/3)であった。無効・再燃例は7例であり、初回治療例2例、前治療無効例5例であった。初回治療例2例は5w中止例と6w中止例であった。前治療無効例の5例にはTVR治療無効例1例、break through 1例がみられた。【まとめ】 TVR3剤併用療法は初回治療例、前治療再燃例においては非常に有効な治療成績が期待される。前治療無効例に対しては少数例での検討ではあるがSVR12 44.4%の結果であり、個々の症例で治療を導入するかどうかを検討すべきと考えられた。
索引用語 C型肝炎, 治療