セッション情報 一般演題

タイトル O-15:

治療抵抗性の吃逆に対しプレガバリンが奏功し外来化学療法が可能となった大腸癌肺転移の1例

演者 高橋 祥(岩手県立高田病院 内科)
共同演者
抄録 症例:62歳、男性
主訴:便秘
既往歴:平成20年、直腸癌に対し低位前方切除術(pSE, pN3, cH0, sP0, cM0, ly3, v3, stage IIIb)、S-1 による術後補助化学療法は8カ月で自己中断。
現病歴:平成24年5月に下剤希望にて当院受診。単純写真にて中皮腫が疑われ6月に他院紹介するも自己中断。12月に呼吸苦出現し再受診され、喀痰細胞診にてadenocarcinomaを、胸水穿刺にて胸水中CEA 3500高値を認めた。CTにて右気管支を閉塞する腫瘍を認め、平成25年1月に気管支鏡下生検施行したところadenocarcinoma(tub1)を認めた。免疫染色にてCK7(-)/CK20(+)/CDX2(+)/TTF-1(-)/サーファクタントアポ蛋白(-)であり、Stage IV大腸癌と診断した。治療希望があるも食欲がなく内服困難との訴えあり、右鎖骨下静脈ルートにCVポートを埋設しFOLFIRI→FOLFOXで治療することとした。この際、胸水貯留著明であり胸腔ドレナージを施行、胸水3100mlを排液した。2月に治療開始、ADRはG2嘔気と吃逆あるも対症的に加療可能で本人の希望にて退院。その後治療中の嘔気は制嘔剤でコントロール可能であったが、メトクロプラミドやガバペンチンを用いるも吃逆のコントロールが困難であり、不安も強く入院治療とせざるを得なかった。4コース目に既報に準じてプレガバリンを予防投与したところ、吃逆はほぼ消失(G1)した。5コース目もトラブルなく治療終了し6コース目より外来化学療法に移行した。現在胸水は消失し、治療効果はPRで推移している。
難治性吃逆のコントロールにより外来化学療法に移行することが可能となった。文献的考察を含めて報告する。
索引用語 吃逆, がん化学療法